宮2を夢見て~シンとチェギョンの物語~
韓国ドラマ「宮」に魅せられて未だ「宮2」をあきらめられず、あれこれ妄想しています。
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進め! 9
その日の事を、少しだけど覚えていた。

一人の公務を終えて車に乗り込もうとした時だ。
記者達からまたイギリスの印象を聞かれた。
帰国してから何度も同じ質問をされ、もう答えつくしたように思える。
チェギョンは少し考えた末、違った角度から答えてみようとしたのだ。

「イギリスは多民族国家です。
イングランド人、スコットランド人、北アイルランド人、ウェールズ人の4つの民族が
イギリスを構成する主な民族であります。
各民族が独自のアイデンティティーを持ちながらも
社会でそれぞれが折り合いをつけて生活をしています。
その様子をかいま見ただけですが、
お互いを尊重し合う姿は素晴らしいと感じました。」

確かに言った。
心からそう思ってもいるし、書かれても異存はない。

でも、その続きにある事は言った覚えがないどころか
イギサに急かされてすぐに車に乗り込んだのだ。
言えるはずがない。

「同一民族が2つに分かれてしまった現実を憂慮し
皇后様は悲しげな表情で立ち去られた。」

厳密に言うとチェギョンの言葉として書いてあるわけではなく
記者の感想を文字にしたのだろう。
だが、読み手はチェギョンが発した言葉と受け取る筈だ。

『皇族の政治的発言』に関して、世間は敏感に反応する。
だから、一言一句慎重に言葉を選んで発言しなくていけない。
政治的発言ではなかったが、チェギョンは若い頃に大失敗をしている。
国中が騒然となったし、一番大切な人を深く傷つけた。
あれから、肝に銘じていたのだ。
皇族の言葉は発した直後から公的な発言になると。


「なんで・・・?」

なんで、こうなるのか・・・

チェギョンは、尚も激しく泣くハナの声を聞きながらも
脚が動かなくなって、その場に佇んでいた。





しばらく茫然としていたら、女官がハナを連れてきた。

「皇后様、ハナ様があまりに泣かれるので体温を測ってみましたら
39度もございます。
医師に診ていただいた方がいいと思いますが。」

「えっ、ええ。
おいで、ハナ。
本当だ、身体が熱いわ。
すぐに診察の手配をしてちょうだい。」

「はい、かしこまりました。」

女官は慌てて電話を手にした。


「ハナ~、ごめんね。
オンマはハナが一番大事だからね。
ああ、本当にごめんなさい。」

ナーバスな気分が余計に自分を責めてくる。
いつもそうだけど、ギリギリのところで頑張っているから
こういう時に気持ちの弾力性がないのだ。
サンドバックにされて、ボコボコになって
もう跳ね返す力がなくなってしまったようだ。

すこぶる機嫌が悪いハナをあやしながら
チェギョンは自分も大声で泣けたらどんなにいいかと思った。



ハナは季節の変わり目に流行る風邪だと診断された。
宮は密閉された空間だけど、人の出入りは多い。
両親だって国中を飛び回って、色々な人達と接してくるのだから
菌の媒介はしているに違いなく。
公主のハナだって、無菌室で育っているわけではないのだ。
子供はいくつもの病気をしながら強くなっていく。
真っ赤なほっぺで病原菌と戦っているハナを見て
今の自分とリンクさせるチェギョン。

「ハナ、頑張ってね。
風邪の菌に負けちゃだめだよ。
ハナはオンマが産んだ強い子なんだから。
でもね・・・オンマはずいぶん疲れたわ。」

ハナにつぶやく。
「うっく。」と涙目で見上げる娘に頬ずりをする。

「今はもう、戦えない。
オンマもハナとお昼寝しようかな。」

ベッドに横たわって、ハナの胸をさする。
初めての経験に、ハナは息苦しそうだ。

「苦しいね。
お熱があると、身体もだるいし。
ハナ、がんばれ~!!
オンマがついてるからね。」




「アッパもついてるぞ。」

ふり向くと、シンがこちらに向かってくるのが見えた。

口角を少し上げて微笑む表情は、少しクールだけど
チェギョンは胸がキューンとなるくらい大好きだ。

クーン。
ワンワン。
チェギョンのしっぽはちぎれんばかりにふりふり。

「シンくーん!!」

チェギョンはガバッと起き上がって、シンに飛び付いた。
シンの胸は広くて温かい。
急激に想いが込み上げて来て、一瞬母である事を忘れてしまう。

「シンくん、私・・・私、言ってないのよ。
言ってないの。」

わーん、わーん、わーん。

尚宮や女官の前で隠していた感情が溢れ出す。

「わかってる。
わかってるよ、チェギョン。」

シンはチェギョンをしっかりと抱きしめた。

驚いたのはハナだ。
オンマの優しい手が離れていったと思ったら
アッパに抱っこされて、わんわん泣き出した。

びっくりして言葉も出なかったが
やがてこの異常事態に怯えて、ハナも泣きだす。
2人の大合唱に困りながらも、それでもシンはチェギョンを離さない。

「ハナ、待ってて。
君は、オンマの看病が終わってからだよ。」

ベージュのスーツがシミだらけになるのも気にせずに
シンはチェギョンをきつく抱きしめた。





コメント
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[2016/10/24 08:14] | # [ 編集 ]

シン君に愛娘が二人☆
Lunaさん~
こんにちは~☆

今週も更新ありがとうございます(^-^)v

チェギョンの答えたこと以外をあたかも彼女の言葉ととらえるように表現する…

一度印刷された文字は目にも心にも残りますから、怖い!!


公私にわたっての日々の生活にいっぱいいっぱいのチェギョンには、こんな落とし穴とも取れる攻撃はキツイですよね!
気をつけていたのに!

悪意あってなのか、記者の主観だったのかは不明ですが国民の心には刻まれてしまうでしょうね!


高熱のハナちゃんと共に泣きたいチェギョン

そんな時にはシン君が癒してくれるはず!
ハナちゃん~少しだけオンマにアッパを貸してあげてね!!

頼もしいシン君ステキです(^-^)v

ファイティン~ チェギョン!!

[2016/10/24 13:53] URL | くこまりぶー #- [ 編集 ]

Re: あんにょん♪
per~さん、こんにちは。
今日もありがとうございます♪

シンくんはいい場面での登場でした。
ちょっと大人な感じになったでしょ?
永遠の俺様皇子も日々成長しております。
ハナちゃんが可哀相でしたけどね。(笑)
風邪はすぐに治るので大丈夫でしょう。

イベントの後の喪失感は、確かに尾を引きますね。
待ち望んでいればいるほど。
私は寂しい秋・冬になりそうです。
ドベゴンズにSMAP解散・・・
引き籠ってお話を書くわ。(爆)
[2016/10/24 14:07] URL | Luna #- [ 編集 ]

鍵コメのRさんへ。
Rさん、こんにちは。

言葉の暴力はあると思いますし、
最近では画像まで拡散してしまう時代。
どこかで歯止めをかけないと、大変な事になってしまいます。

チェギョンを通して、その辺りを突っ込んでいけたらいいなと
色々考える日々でございます。
なかなか、難しいの~。

今日もありがとうございました♪
秋を感じる日々ですね。
[2016/10/24 14:11] URL | Luna #- [ 編集 ]

Re: シン君に愛娘が二人☆
くこまりぶーさん、こんにちは。
今日もありがとうございます♪

そうなんです。
言葉として残ってしまうと、それが独り歩きをし始める。
そして、伝言ゲームのように形を変えて広がっていく。
怖い事だと思うんです。

絶対に見てないよねってわかる事でも、見たように書く。
お話を書くのはそれでいいけど、
誰かの言葉として書くのは、絶対にしてはいけない事。
この頃、そこのモラルが無くなってきたように感じます。

シンチェは架空の人達だから、ズバズバ書いていますが
私も怖い事をしないように、気をつけないといけませんね。

ハナちゃんはこの後、アッパに抱っこしてもらったと思います。
ちょっと可哀相だったわね。
[2016/10/24 14:20] URL | Luna #- [ 編集 ]

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[2016/10/24 21:51] | # [ 編集 ]

Re: タイトルなし
鍵コメのTさん、こんばんは。
いつもありがとうございます♪

シンくんの胸で泣くチェギョンをドラマでも見てきましたが
いくつになっても、あの胸で包んでもらえたらいいわね~。
うらやましさ全開で書きました。

書かれた側は、どんなに悔しくても
ちゃんと説明する事はなかなかできないです。
チェギョンもこのまま泣き寝入りするしかないのかな・・・
このテーマは結構難しくて、慎重に書いております。
また、感想をお聞かせ下さいね。
よろしくお願いします。
手探り状態で書いているので、不安なの~。
[2016/10/24 23:39] URL | Luna #- [ 編集 ]


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