宮2を夢見て~シンとチェギョンの物語~
韓国ドラマ「宮」に魅せられて未だ「宮2」をあきらめられず、あれこれ妄想しています。
プロフィール

Luna

Author:Luna
「宮の世界」へようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR

進め! 1
ひんやりとした風がエントランスに吹き渡る。
あんなに暑かった夏が終わった。

宮の庭に蝉の亡骸が転がり始めると
夏は急速にその存在が薄れていく。

夏と秋の間を楽しむことがないまま
今年ももう、秋がくる。


ハナを抱っこしながら、午後からの公務の資料を見ていたチェギョンは
心地よい風に身を委ねた。

「ハナ~、宮の秋は綺麗だよ。
イチョウの絨毯の上で遊ぼうか?
オンマは秋が来ると、そこで本を読むのよ。
とってもロマンティックなんだから~。」


「ハナ、だまされるなよ。
君のオンマはそこで本を広げたままお昼寝をするのが好きなんだ。」

「シンくん!!」

意地悪な口調は、あのころのまま。
だけど、そのまなざしは父親の目をしている。

「はい、ハナをどーぞ!
資料に集中したいから、あなたが抱っこして。」

チェギョンはハナをヒョイとシンに預ける。

「はい、はい。
ハナ、オンマはだんだん皇后らしくなってきたよな。
ん?そう思うか?」

「あう、あう。
あっ、あう、あっ、ぱ・・・」

シンは驚いてハナを落としそうになる。

「な、おいっ!
今、ハナがアッパって言った。
チェギョン、聞いてたよな?
な! 確かに言ったよな?」

「ええ、最近それらしき事は言うわよ。
まだ、発音が上手くないからよくわからないけど。」

チェギョンは何でもない事のように言った。

「どういうことだよ?
ハナが話したってこと?
何でそんな大事な事を言わないんだ!」

「だって~、唯一話せる言葉はオンマでもアッパでもないんだもの。」

チェギョンは口をとがらせて言った。

「なんだって?
じゃあ、何て言ったんだ?
チェギョンの子だから、ご飯とかケーキとか?」

「ちがうわよっ!」

「まさかと思うがアジョシ? ハラボジ? ハルモニ?」

「ううん、違う。
そんな難しい言葉は1歳を過ぎないと無理よ。」

「じゃあ、何だよ!」

「怒鳴らないでよっ!
ジウンよ、ジウン。」

途端にハナの顔がパァーと明るくなった。

「ジウ、ジウ! ジウ~!」

シンの腕の中で、ハナがバタバタと暴れ出す。

「ハ~ナ・・・」


チェ尚宮とサンヒョンの愛娘ジウンは、今ハナの愛を一身に受けている。
普段、宮の大人達に囲まれて暮らしているハナにとって
ジウンの存在は特別なものなのだろう。

チェ尚宮は「有り得ません!!」ときっぱり言うが
チェギョンは、ジウンが数ヵ月後に預けられる宮の託児所に
ハナも一緒に預けてみたらどうかと考えている。
宮の敷地内に位置する託児所の入所者は、まだジウン一人の予定だ。
衛生管理は万全だし、保安は申し分ない。
大人達ばかりの環境で育つより、ハナにとってはきっといいはずだ。

だが、これは今までのどの案件よりも難しい事例だと思う。
庶民代表シン・チェギョンは、今や韓国の皇后だ。
公主さまであるハナが、宮内とはいえ、託児所に預けられるなんて事は
すんなり許されるはずがない。
乳母の件であんなにモメた経験上、
チェギョンは相当な覚悟をもって臨まねばならないと考えている。


「アッパ、アッパって言ってごらん。
何だよ、言わないのか?
ほらっ、アッパ、アッパ。 簡単だろ?」

先程のショックのあまり、ハナに向って小言を繰り返すシンを見ながら
チェギョンは母として進むべき道を模索していた。






「オンニ、1週間よろしくお願いします。
産休中なのに、結局オンニを頼ってごめんなさい。」

チェ尚宮はにっこり微笑んだ。

「尚宮としてのサポートはできませんが
ジウンの母親として、仲良しのハナ様のお力になりたいと思います。
ご安心ください。
イギリスではしっかりとご公務に専念なさって下さいませ。」

オンニと呼ばれた事から、これは私的なお願いだと受け取ったチェ尚宮。
ご近所の仲良しさんに頼まれたような切り返しで
チェギョンを安心させる。


イギリスへの海外公務は、チェギョンの妊娠前から決まっていた。
懐妊の兆候が見られたため、大幅な日程変更があり
ハナが生後8カ月となる今月に予定が組み直された。

自分たちの手で育てようと決めたシンとチェギョンにとって
そしてハナにとっても、初めての試練だと言える。
イギリスには、ユ尚宮・チョン尚宮・バン尚宮が同行することになっていた。
ハナの面倒をみるのは、当然留守部隊となる。
心配がないと言えば嘘になるが仕方ない。
温陽のお2人とお祖母様も総動員の宮に
ハナを1週間も預けていくのは、後ろ髪を引かれる思いだった。



「では、行って参ります。」

皇帝と皇后になったシンとチェギョンの移動は大掛かりで
帯同するお付きの者たちの数は半端ない。
サンヒョンも当然その中に含まれており、
並び控えるイギサ達の間に緊張の表情を見せて立っていた。

「ハナをよろしくお願いします。」

ミン妃に抱かれるハナは、いつものお出かけだと思っているようだ。
特に違った様子も見せずに笑っている。

「大丈夫そうだな。」

シンはチェギョンの肩に手を置いた。
シンを見上げるその目は、不安そうに揺れる。

「ハナ、1週間 オンマをアッパに貸してくれ。
久しぶりに一人占めだ。」

シンの言葉に、お祖母様達が笑う。

「もう! 何言ってるのよっ!!」

チェギョンは顔を真っ赤にしながら、シンをたたくふり。

「ハナ、行って来ます。
お利口にしててね。」

しっかり握っていたハナの手を、そっとはずすと
チェギョンはくるりと向きを変えて、そのまま振り返らずに歩き出した。



  ファイティン!!

  皇后になって初めての海外公務。
  ここからは気持ちを切り替えて、頑張る!

  私は韓国の皇后。
  しっかり頑張るから、みんな見てて。

シンの温もりを肩に感じながら、チェギョンは両手に力を込めた。


夕暮れに浮かぶ景福宮。
門のライトがつき始めると、この空間は一気に幻想的になる。
色とりどりの模様が、夜の帳に隠れ
墨絵のような濃淡が古の絵巻物を彷彿させる。
門番のイギサ達は直立不動で2人を見送っていた。

南に位置するソウルタワーにも灯がともり
人々は夜が近い事を知る。

移動する車からの景色にも、一つ二つと明りが増え始めた。

「夜のフライトは寂しくてイヤだなって思ったけど
趣があって、これも悪くない。」

「そうね。
明りが増えていく度、家に家族が戻ってくる。
もうすぐ、あちこちの窓から美味しい匂いがしてくるわよ。」

 
仁川空港方面に渡る橋から、
シンとチェギョンは、今一度街を振り返った。

先程よりももっと増えた明りが、心を温かくする。

  心から伝えたい。
  この景色に宿る人々の思いを。
  今日も懸命に生きていた彼らの生きざまを。


「さあ、行こう。」

シンはチェギョンの頬をつつくと、優しく微笑んだ。





       *皆さま、こんにちは。
       今日もおいで下さってありがとうございます♪
       台風が来ています。
       もう、圏内のところもありますね。
       どうか、充分にお気をつけ下さい。*   Luna




       
コメント
おはようございます
お久しぶりのお話しの更新(イヤミじゃありません)ありがとうございます。

本編で来韓したウィリアム王子も、この6年で結婚して2児のパパになりましたね。
最近ちょっと(かなり)頭髪が残念なことになってますが…

イギリスでオンマを独り占めのシン君♡
帰国したら間もなく第二子懐妊の発表があるかもね~

ユル君のその後も気になるところですが…
「進め!」ってタイトルに、たくさんの含みがあるんだろうなぁって感じます。


台風は間もなくLunaさん地方を直撃ですね。
毎週毎週ホントに良く来るよ、まったく。。。
溺れないように出勤してくださいね!

[2016/09/20 07:28] URL | ぶんちゃん #- [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2016/09/20 07:46] | # [ 編集 ]

Re: おはようございます
ぶんちゃんさん、おはようございます。
早速のお越しとコメントをありがとうーーー!!

お話の構成は出来上がっているのですが
なかなか書く時間が取れなくて・・・
しかも私ね、キーを打つのがすごーく遅いの。(泣)
まだ2話が書けていなくての、発車となりました。

ウイリアム王子はイケメンでいい感じの方なのですが
頭髪がお父様に似てしまわれたんですね。
同感! 非常に残念です。

進め!は、難産の末のタイトルです。
SMAPの曲に「ススメ!」っていう歌があって
この歌詞がものすごく好きで元気が出るのです。
ボロボロでかっこ悪い生き方でも、前を向いて進め!
いっぱいの進め!を書こうかな~。

こちらはまだ小降りです。
夕方は相当降るみたい。
ぶんちゃんさんも気をつけて下さいね♪
[2016/09/20 08:22] URL | Luna #- [ 編集 ]


Lunaさん~
おはようございます☆

お話の再開ありがとうございます(^-^)v
お待ちしておりました♪


宮の皆さんは変わらずにお過ごしでしたね!

ハナはジウンがお気に入りなのですね~☆

唯一の子供同士ですものね!
それは「アッパ」より先に発します(笑)

そんな仲良し夫婦のやり取りも大きな公務前の和みタイムですね!

オンマと暫く離れるハナちゃんだけではなくチェギョン自身も公務と母親との板挟みの心中を乗り越える初めての時でしょうか…

チェギョンを独占なんて言ってるシン君は大丈夫かな~(笑)

とにもかくにも、新たな一歩ですね!!

Lunaさんが直に感じたことが文字になり景色がさらに美しく脳内に広がるようでした(^-^)v


Lunaさん、昨夜は雨が酷かったのではないでしょうか?
これから台風が通過していきますね!
くれぐれも気をつけて下さいねm(__)m
[2016/09/20 08:25] URL | くこまりぶー #- [ 編集 ]

Re: あんにょん♪
per~さん、おはようございます。
フェイントっぽい更新にもかかわらず
来て下さってありがとうございます♪

子育てと公務。
歴代の妃達が直面してきたであろうという問題を
チェギョンならどうするのかな?って思い、書いてみました。
大体の骨組みはできていますが、
書いていく作業の段階で、まだ変わっていくのでしょうね。
チェギョンと一緒に進め!です。

夕方は大雨の予報。
お互いに気をつけましょうね。
行ってらっしゃーい!!
[2016/09/20 08:30] URL | Luna #- [ 編集 ]

拍手鍵コメのRさんへ。
Rさん、コメントをありがとうございます♪

何だか、わざわざ台風の日に更新しなくてもいいのにね。
外はすごい雨です。

書く時間がなかなか持てない日々ですが
構想はできてきたので、出発してしまいました。
ストックがあると楽なんですが、
最近は取れたてのほかほかをお出ししています。(笑)
焼き加減がわからないので、また何かやらかしそうな気配。
気が付いたら教えてね♪
[2016/09/20 14:31] URL | Luna #- [ 編集 ]

Re: タイトルなし
くこまりぶーさん、こんにちは。
コメントをありがとうございます♪

目で見て肌で感じた事を、そのまま言葉にできないもどかしさ。
書くという事は難しいです。
送迎のバスの中で感じた事を書いてみたかったの。
本当はもっと荘厳な感じなのよ~。

シンチェ一家にとって、最初の試練がやってきました。
親子が離れるのは、どちらも不安なもの。
感受性が強い息子は、下の娘が産まれて1週間入院している間に
母親に捨てられた気持ちになったらしく、私に人見知りしてしまいました。(笑)
でも、その時は悲しかったな・・・

外は大雨。
また今からお仕事に戻ります。
ああ、ヤダ~!!
ファイティンでございます。
[2016/09/20 14:38] URL | Luna #- [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2016/09/20 20:59] | # [ 編集 ]

Re: NoTitle
鍵コメのTさん、こんばんは。
こんな台風の日においで下さり、ありがとうございます♪
嵐を呼ぶおばさん、またしても台風だわ。

夕暮れ時は嫌いなんです。
何だか、寂しくて・・・
でも、夜が近くなると 街に明りが増えていくでしょ。
あれは、好きなんです。
イマドキ、晩御飯の湯気は登らないけど
温かい食事の匂いがしてきて、皆が家路を急ぐ。
そんな情景が好き。

少しでも温かくなっていただけて、よかったです。
シンくんの気持ちも汲んでもらえて、うれしかったわ♪
[2016/09/20 23:27] URL | Luna #- [ 編集 ]

おかえりなさいませ
こんにちは

昼真からお邪魔しています。現在、有給消化中で求職中ですって、
ここで言うなよ。すいませーん。でも、なんとかなるって勝手に思ってます。

やっぱり、韓国へ行ってその地を感じとられたからの感が随所に出てらっしゃる。街中の風景画見えますもの。
お出かけ出来るのが羨ましい。

そうそう・子供を育てるには、大人の中だけで育てるのはやっぱり不自然。
保育園等に預けることは難しくても、同い年の子供を持つ母として・・
ママ友みたいな感じで、ハナちゃん達が触れ合っていくとかでなんとか
出来ないかなとも思いますね。

皇后となった彼女がこの後の活躍を楽しみにしております。


[2016/09/21 12:35] URL | 墨衣の君 #- [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2016/09/21 12:50] | # [ 編集 ]

Re: おかえりなさいませ
ただいま~!
あははは・・・墨さんらしくって笑っちゃいました。
フツー、鍵コメですよ~。
潔いところ、大好きなんですけどね♪

きちんとした描写はできていないと思いますけど
空気感は出ているかな~と。(信じたい。)
今回よかったのは、実際の宮で「宮外伝」と「宿命」の
再確認ができた事です。
宮殿に漂う不思議な空気を表現したいお話でしたから
「間違っていなかった」という事を確認したかったの。

チェギョンの子育ては一緒に奮闘するつもりで書きます。
でもお話なのだから、あまり現実的にはしたくなくて。
その匙加減が難しそうです。

求職中の忙しい中、ありがとうございます。
そう、何とかなるって~。
じっくり探して下さい。
うん十代の内は、まだまだ選べます。
急がば回れ!でございますよ。
[2016/09/21 13:19] URL | Luna #- [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2016/09/22 00:28] | # [ 編集 ]

Re: こんばんは
鍵コメのS子さん、こんばんは。
コメントをありがとうございます♪

ソウルの夜景はにぎやかで、
仁川空港へ向かう夜景は、ほのぼのしていました。
日常の明かりが普通に灯る温かさを感じましたよ~。

仕事と育児、それにもう一つ。
欲張っていこうと思います。
でも、今日も出かけていて書けず・・・
週末もお出かけなので、書けそうもなく。
あーー、どうしよう。
ノロノロでごめんね~。
[2016/09/22 20:50] URL | Luna #- [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2016/09/23 02:01] | # [ 編集 ]


コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://senamoon1122.blog57.fc2.com/tb.php/837-b4a7e628
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)