宮2を夢見て~シンとチェギョンの物語~
韓国ドラマ「宮」に魅せられて未だ「宮2」をあきらめられず、あれこれ妄想しています。
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残月 26
彩は博物館の展示室で一人佇む。

向かい合って微笑む2体の仏像。
うつむき加減の優しそうなお顔と
体を流れるような曲線の美しさにため息が漏れる。
その柔らかくゆったりとした表現は
両国の作者の同じ思いが、しっかりと伝わってくる。

『半跏思惟像』

韓国と日本両国の仏像が、国立中央博物館で公開された。
照明を少し落とした部屋で、ほほえみ仏像が2体向き合っている。
今回の企画は画期的なものだ。
両国の文化交流の一層の促進を図るために企画され
それぞれの国を仏像が訪れ交流する。
日本に先だって公開された韓国で大盛況だ。

皇室からは、公開前日にユルが代表して訪れ
メディアに向ってこう語っている。

「日韓両国を代表する博物館が相互に協力して
同じ展覧会を開催する初めての試みは、
新たな交流への確かな一歩を踏み出したと言えるでしょう。」



仏像達は黙して語る。
ルーツは同じなのに、どこから違ってしまったのか。
こうしてちゃんと向き合えるはずなのに・・・
こうしてやさしく微笑みを交わせるのに・・・

誰もいなくなった展示室で、彼らは静かに微笑みながら
何を思っているのだろう。


彩は自分が涙を流しているのに気が付いて、慌てた。
こんなに混雑している場所で、自分が一人でいるような感覚。
ふと、我に返って現実に戻る。


今はっきりしたのは、自分の進むべき道。
彩の目指してきたものがここにある。

元を正せば、同じ場所から現れた私達。
語ることのできない者達が、雄弁に語れる事もある。
それを皆に伝えたい。

ふぅ~。
ため息は細い線になって消えた。






「コレクトコール? インからだわ。
ヨボゼヨ。」

「彩、元気にしてた?」

「ええ、もちろん元気よ。
あなたは?」

「うん・・・ちょっと元気がない。」

「どうしたの?
任務がキツイの?
大丈夫?」

「・・・彩に会いたくて。」

「くふっ、それは私も同じよ。」

「ああ、休暇はまだ先だ。
それまでもつかな?」

「な、なにがよ?」

「あ、今 イヤラシイ事を想像しただろ?」

「インが変な言い方をするから・・・
でも、スキンシップ不足には陥っています。」

「ふふふ、正直でよろしい。
ところで、半跏思惟像は見てきた?」

「どうして、それを?」

「ネットで見たんだ。
彩は絶対観に行ってると思った。」

「ええ、行って来たわ。
素晴らしかったの、すごく感動したのよ。」

それから彩はずっと仏像の事を話し続けた。


「そういう仕事がしたかったんだろ?」

「えっ?」

「今度は彩の番だ。
韓国と日本の架け橋になるって言ってたじゃないか。
韓国で無理なら、日本でやれよ。
どちらの国でしたっていいじゃないか。」

「・・・イン。」

「そんな事で壊れる仲だと思うのか?」

「思わないけど。」

「けど?」

「あなたは平気なの?
あまり会えなくなるのよ。」

「そんな事はないよ。」

インはあっさりと言った。

「今より、ずっと会えるさ。」

「遠距離なのよ。
同じ国に居るわけじゃないわ。」

「同じ国に居ても、全然会えないじゃないか。
自由に動き回れる状態になったら、好きな時に会いに行く。」

「お互いに仕事を持つわけだし・・・
急になんて会いに行けないわ。」

「ネガティブだな、彩は。
俺達には航空会社の御曹司がついている。
多少の無理は言えるんだ。
満席って本当の満席じゃないんだぜ。
いつだって一人くらい割り込めるんだから。
ギョンはそれくらいしか、使い道がない。
なんなら毎週末座席を確保させておくよ。」

彩は何だか無性に可笑しくなって笑った。
  
    やっぱり、インは男だな。
    豪快に不安を吹き飛ばしてくれる。

うっすらと見える先の景色は、彩の心を躍らせたり曇らせたり。
どちらを失っても後悔しそうで揺れる。
そんな気持ちを一瞬にして吹き飛ばすイン。

    ますます惚れそう・・・

でも、言わない。
大和撫子だもの。
滅多に「サランヘ。」は口にしない。

「ありがと。」

代わりに心を込めて言った。





皇后様は会食出席の準備で忙しい。
なのに、ドレスに着替えながら電話中だ。

「えっーーー!
こんなに早く決めなくてもいいんじゃないの?
もう少し、韓国の大学に交渉するとか。
何か方法はないの?」

「文化財研究機関に直結する研究室だから、そこで勉強がしたいのよ。
日本の大学から、今月中に返事が欲しいって言われてるし。
長引かせても結論は同じだから。」

彩の決心に一番動揺したのは、チェギョンだった。
立場上、韓国に居てもなかなか会えないのに
彩が日本に帰ったらますます会えなくなる。
チェギョンやユルが力を入れている各国との文化交流に
彩は絶対不可欠な存在だ。
そのためにも韓国に居てほしい人材だった。

国立中央博物館から戻ってきたユルが言っていた。

「彩はきっとああいう仕事がしたいんだよ。
近い将来、日韓の文化交流のために尽力してくれるに違いない。」

そのためだけじゃない。
チェギョンにとっても大切な人だ。
友達として近くに居てほしいと願うのは、我儘だとわかっているけれど。

「インに言われたの。
韓国でできなければ日本でやればいいって。」

「・・・インとはどうするの?」

近くでハナをあやしていたシンは思わず聞き耳を立てる。

「大丈夫なの。
私達はきっと大丈夫!」

彩があまりにもきっぱり言うから、
チェギョンはそれ以上何も言えなかった。



「ハナ~、オンマが何だか変だぞ。
オーイ、しっかりしろって。
ペチペチしちゃっていいよ。」

シンはハナをチェギョンに近づける。
ハナはオンマの頬をペタンペタンと触った。

チェギョンはふぅ~と息を吐く。

「オンマは駄目だわ。
反省・・・。」

「ん?」

「自分の気持ちが先行して、彩に頑張れ!って言えなかった。
寂しい気持ちでいっぱいになっちゃったの。」

「皇后様、大事な事を忘れてませんか?」

シンはイジワルな顔で言った。

「えっ?」

「チェギョンとユルがしたい事と、彩が日本でしようとしている事と
どこがどう違うんだ?」

「うっ・・・」

「それって、文化財研究所とか皇室とかの垣根を越えてもできるんじゃないのか?
手続きとか、かなり難航するとは思うけど。
僕の印一つで出来る事なら、何でも協力するつもりだ。」

「皇室の文化財を日本や他の国で公開するのも可能って事?」

「セキュリティーなど数々の問題をクリアできたらの話だが。」

「彩と一緒に仕事ができる?」

「ああ。 不可能な事ではない。
チェギョンとユルの腕にもよるが。」

「任せてよっ。」

チェギョンは力こぶを作って見せた。

「そのドレスに力こぶはないな。
ハナも笑っている。」

「ハナ~、オンマは頑張る!!」

チェギョンはハナにチュッとキスをした。

「まずは今夜の会食を頑張って下さいよ、奥様。」

「はい、極力お上品に頑張ります。」


「キム内官。
ユルが戻ってきたら、この資料を渡しておいてほしい。
会食から戻ったら話を詰めるので、目を通しておくよう伝えて下さい。」

ハナを抱く反対の手から、内官に書類が渡る。
それは父親の顔から皇帝の顔へと戻る瞬間だ。

     やっぱり、カッコイイ!!

チェギョンはネックレスをつけながら思う。


「さあ、できた~!」

ふり向いて微笑むチェギョンに、シンの目が釘づけになる。


「ヤッダー! シンくん。
ボッーとしてるから、ハナのよだれがスーツについてるじゃない。
バン尚宮、おしぼりを。
チョン尚宮、ハナをお願いね。
入浴後、湿疹の薬を忘れずに塗って下さい。
8時には寝かしつけるように。
ユ尚宮、今夜の出席者の名簿を下さいな。
車の中で頭に叩き込むから。」

皇后の顔に戻った妻は、尚宮達にテキパキと指示をする。

      ああ、ヤバイ!

さっきまでの少女の顔と、威厳のある皇后の顔。
これだけでもマイッテしまうのに、まだまだ見せる色々な顔。
それに翻弄され続けて、寿命が縮まりそうだ。

   政府の高官達との会食なんて、行きたくない。
   このままチェギョンと2人で楽しい夕食をとり
   ワインでも飲んでまったりと・・・
   ほんのり色づいた妻をデザートに・・・ああ。

「シンくん!
何よ、思い出し笑いなんかしちゃって。
顔がだらしないわよ。
さあ、出発!!」

ハナを抱っこして少したくましくなった二の腕をからめ
妻が引っ張る様に歩き出す。

     ふふふ・・・こんなのも幸せだな~♪

ツンデレのデレ全開の夫を見て、チェギョンは言った。

「あなたって、ホントに変な人よね。
二面性があるというか・・・
前からずーっと思ってたけど。」

「そうかぁ~?」

何を言われても、幸せなシンデレだ。


今夜のお供のクォン内官が、後ろでクスリと笑った。





        * 暑中お見舞い申し上げます♪
         本日もシンチェに会いに来て下さり、ありがとうございます。
         皆さま、お久しぶりですね。。
         私的な事情で、更新が滞っておりました。

         最近、韓国ドラマ『君の声が聞こえる』にハマっていて
         「スハや~♥」状態なのですが。
         な、なんと その中でイン君発見!!
         彼、チェ・ソンジュンっていう方らしいのですが、
         『君声』では法律事務所の事務員役で出演していました。
         哀愁のイン君ではなく、明るいユチャン役です。
         結構出番も多くて、いい味出しているの~。
         ドラマはとても面白いので、
         イン君に会いがてら是非見て下さいまし。
         若き日のジフニまでとはいきませんが、
         イ・ジョンソク君がツンデレで萌えますわよ。
         シンくんとの違いは、ズバリ色気ですわね。
         ちょっと爽やか過ぎ~、惜しい!!
         立ち読みした本屋さんで、久しぶりにいい状態のジフニに会い
         ジョンソク君の5年後が楽しみになったおばちゃんでした♪

         暑い日が続いております。
         身体に気をつけてお過ごし下さいね。
 
         夏は用事が多くて、いつも以上にノロノロ更新になりそうです。
         皆さまもノロノロおいで下さいますと助かります。(笑)
         また、元気にお会いしましょうね。
         あんにょん♪

                          Luna

         
         


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[2016/07/11 07:58] | # [ 編集 ]

Re: あんにょん♪
per~さん、おはようございます。
今朝もありがとうございます♪

ほぅ~、天皇陛下もご覧になっていらしたのですね。
そうですかぁ・・・また、心にズシンと響きました。

お寺とか仏像とか神社など、前々から好きで
歳を取り、ますます無しではいられなくなってきました。(笑)
どこかへ出かけるとお参りしてしまう。
分別のない自由なお参りなので、それこそ どこででも。

韓国旅行のお写真やレポートを楽しく拝見しました。
確かになかなか見られないところですよね。
貴重な旅行だったのでは。
私とCさんはとにかく『宮』巡りに徹しようと思っています。
それから『宗廟』もハズせないわ。
今度はマニュアックな旅になりそうで今からワクワク。
気ままに見たいところを全部欲張って見てきます。
また、違ったテイストの『宮』が書けるかもしれませんものね。

今日は34℃だって・・・
per~さんもお身体に気をつけてね。
いってらっしゃーい!!
[2016/07/11 08:26] URL | Luna #- [ 編集 ]


Lunaさん~
おはようございます☆

ノロノロおじゃましました(笑)
お忙しい中、そして猛暑の時に更新ありがとうございます(^-^)v

久々に彩とイン君登場ですね!
彩もピシッと筋が通った大和撫子ですがイン君も器が広いですね!
愛する彼女の夢のために背中を押しましたね!

使えるものは何でも使え!…ということですね☆
ギョン君使い道があって良かったね~(爆)

そんな冗談で彩を和ませるイン君カッコいいです!
そして彼女の決断に寂しさを覚えるチェギョンにも心強いサポーターがいますね!
常に励まし支え合える愛する男性が…☆

ずっと大切にしてきた友情から夢が羽ばたくお手伝いと…ユル君も含めて異国間同士の架け橋になれますように!!

シンデレ…いいなぁ♪

Lunaさん~イン君出演のドラマってBSか何かで放送ですか?
彼はイン君以外で見たことない俳優さんなので興味ありますね(^-^)v


ではまた余力のある時に続きお願い致しますm(__)m
[2016/07/11 08:52] URL | くこまりぶー #- [ 編集 ]

Re: タイトルなし
くこまりぶーさん、こんにちは。
今日もありがとうございました♪

イン君はあんな状況にも耐えた男です。
きっと器の大きな男に違いなく。
今回はそれを証明したくて書きました~。
ギョンを出す必要はなかったのですが、ちょっと会いたくて。(笑)

ユル君やチェギョンのしたい事は、彩の目指す道にきっと繋がる。
そう思ってたところに、「半跏思惟像」。
これも何かの縁ですね。
本編でシンくんが興味ないと言っていた事が
今こうして少しづつですが、形になろうとしています。
大人になった彼は、静かに見守りながら
大事な時にドドーンとハンコを押してくれるでしょう。

くこまりぶーさん、「君声」ですけど
私はパソコンTV「Gyao」で視聴しています。
もう2~3年前のドラマだと思います。
1週間に2話なので待ち切れず、動画サイトで全話見ました。
ワクワクドキドキが止まらないドラマですよ~。
イン君がお茶目なのが笑えますが。
Cさんに教えたら早速レンタルで全話見て「いいわぁ~♥」と言ってました。
すっごくお薦めのドラマです♪
[2016/07/11 14:16] URL | Luna #- [ 編集 ]

鍵コメのRさんへ。
Rさん、こんにちは。
今日もありがとうございます♪

久しぶりにイン君と彩を書いたら、愉快な仲間達が恋しくなって
ギョンまで登場させちゃいました。

シンくんとチェギョンの日常も覗いてみたくて・・・
すんなり書けてしまったのは、いつも一緒に居る感じだからかな?
ここに来ると、彼らが自然に居てくれるので。
ちょっと怖いですね。(笑)

夏本番、お互いに身体には気をつけましょうね~。
それから、お肌のお手入れも♪
[2016/07/11 14:26] URL | Luna #- [ 編集 ]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2016/07/14 21:37] | # [ 編集 ]


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