宮2を夢見て~シンとチェギョンの物語~
韓国ドラマ「宮」に魅せられて未だ「宮2」をあきらめられず、あれこれ妄想しています。
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残月 25
光化門前の道は激しい渋滞に見舞われていた。

やっと動き出した車は、まだ宮の近くで止まっている。
サンヒョンは無線で宮と連絡を取りながら
計画の一部を変更しようと思った。

「こちら、サンヒョンです。
渋滞がひどくて、全く進めない状態です。
この車に気が付いているメディアは3社というところでしょうか。
巻こうにも、車自体が動かないのでどうする事もできません。
ただ、あちらも動けないので 車線変更もできずにいます。
それで計画の変更を思いついたのですが、
遠くまで走ってしまうより、
いっそジョンミンの待つ駐車場へ一気に行きたいと思います。」

宮はそのまま指示を待つように言う。
サンヒョンはハンドルを握りながら、周りを窺う。

「ねえ、サンヒョン。
宮にこういう車もあったの?」

アットホームなワゴン車は急ごしらえの黒い目隠しが張ってあった。

「いえ、これは私の車です。」

「まあ、それは申し訳ないわね。
この車にチェ尚宮も乗っているってわけね。」

「ええ、まあ。
普段は公主様のいっらしゃる場所にチャイルドシートが置いてあります。」

「幸せ?」

「ええ、とても。」

「ふふふ・・・即答ね。
私もあやかりたいわ。」

「公主様、どうかお幸せに。
妻と共にお祈りしております。」

「ええ、ありがとう。
チェ尚宮にもよろしく伝えてね。
遠くから挨拶をしてくれたのよ。」

「・・・そうでしたか。
ゆっくりお話ができずに、寂しがっておりました。
あ、公主様 しっかりつかまって下さい。」

突然、サンヒョンが急ハンドルを切って車線変更をする。
そして交通整理の警官に合図すると、警官はその後の車を一旦ストップさせた。

「宮から許可が下りたので、このまま待ち合わせ場所に向かいます。」

「ええ、お願いします。」


ヘミョンは街中を珍しそうに眺める。
国道から裏道に入ったその景色は、今まで見たことも無い。

サンヒョンは狭い道を巧みにハンドルを操って
大型スーパーの駐車場へと乗り入れた。

誰かと連絡を取っていたサンヒョンが、後ろを振り向き頭を下げる。

「公主様、私のお供はここまでです。
どうかお気をつけて。」

「みんな、ありがとう。
最後までよくしてくれたわね。
これからは陛下と皇后の警護をよろしく頼みます。」

「はい。」 「確かに承りました。」

宮の姫様は、スーパーの駐車場で酒屋の車に乗り換える。


「えっ? なぜあなたがここに?」

後部座席に収まっているミンスを見て、ヘミョンは驚いた。

「宮まで迎えに行きたかったのだけど、陛下に断られた。
姉上のファンに殺されますよって。
冗談に聞こえなくて、ここで待っていたんだ。」

「あははは・・・
確かにあなたがあそこにいたら、収拾がつかなくなってたわ。
今頃まだ宮にいたかもね。」

2人の会話を聞きながら、ジョンミンが微笑んでいる。
その助手席には、元イギサの女性。

「公主様、ご無沙汰しております。
これから私が警護を担当させていただきます。
陛下から直々のご依頼、光栄に存じます。」

「私はもうここから公主じゃないわ。
もっと気楽に話してちょうだい。
勝手気ままにやろうと思ってたけど、そうもいかないみたいね。
どうかよろしくお願いします。
あ、ジョンミン。
あなたにはお世話になりっぱなしで・・・
今日も仕事中なのに、申し訳ないわ。」

「いえ、私も光栄に存じます。
皆に自慢できないのが、とても残念ではありますが。
では、そろそろ出発します。
でないと、サンヒョンさん達が宮に戻れません。」

斜め向かいの駐車スペースで、サンヒョンが心配そうに見ていた。

ヘミョンは大きく手を振って、別れを告げる。
大切な姫様を乗せた車が見えなくなるまで、
サンヒョンの車はその場を動かなかった。



あらかじめ宮から受け取っていた許可書を、
ジョンミンは駐車場の担当者に見せた。
強面の男は、遠慮もせずに車の中を覗き込んでくる。
後部座席にヘミョンの姿を認めると、最敬礼をした。

素晴らしい車が行列する駐車場に酒屋の車が滑りこむ。

「却って目立ちますね。」

ジョンミンは苦笑した。

「ありがとう、ジョンミン。
これからもチェギョンを守ってね。」

「はい、この命に代えても必ずお守りいたします。
今頃、皇后さまは宮で泣いておいででしょうね。」

「今日はずっと泣かずに我慢してたからね。
そうね、今頃は大洪水かもしれない。」


ヘミョンは「さあ!」と自分に気合を入れて、車を降りた。

「ジョンミン、気をつけてね。」

「ええ、公主様もお元気で!」


バックミラーに、手を振るヘミョンが写る。

「公主様、どうかお幸せに・・・」

ジョンミンは涙を拭いながらつぶやいた。






それから一ヶ月後。



「えっーー、シンくんが行けなくなったの?」

「そうなんだ。
急にカナダの首相が会食の席に来られないかって言ってきて。
悪いけど、王族会の方を頼めるかな?」

「んと~、ユル君は暇なんじゃない?」

「ユルも今日は公務が入っていてダメだった。」

「ねえ、王族会のおじ様達が苦手って知ってるでしょ?
私がカナダの方へ行く。(トルドーさん、イケメンだし♪)
それが一番いいわ。」

「残念だったね、僕をご指名だ。
もう、あきらめろ。
苦手を克服しないと、いつまで経っても苦手のままだ。」

「あなただって、苦手なくせに~!
ハナは誰に頼むのよ~。
お義母様達は温陽だし。」

「お祖母様と女官達に頼めばいいさ。
ハナは曾ばあちゃんが大好きだし。」

「ああ、どうしても行かないとダメなのね・・・
おいで、ハナ。
お祖母様のところへ行こう。
あらっ、うれしいの?
おばあちゃんは優しいからね~、アッパと違って。」

「アウ、アウ。」

「おや、アッパも好きなの?
そうね、イジワルだけど オンマもアッパが大ちゅきよ♥」

シンが目を細めながら、チェギョンとハナに代わる代わるキスをする。

「アッパもお前達が大好きだよ♥」





「お祖母さま~?
あらっ、お部屋にいらっしゃらないわ。
どこに行かれたのかしら?」

「皇后様、太皇太后様はお出かけでございます。」

女官が申し訳なさそうに告げる。

「そう・・・
仕方がないわ。
女宮達にハナを頼もうっと。」

イヤイヤをするハナをなだめながら、部屋に戻るチェギョン。
ハナはお祖母様に会えなくてご機嫌ナナメだ。

「このところ、お出かけが多いわね。
また何か楽しい事を思いつかれたのね。
今度、聞いてみよう、ねっ。」

チェギョンはハナにそう言った。






「あの・・・お祖母様。」

「ん?」

「別にいいんですけどね、
こんなにしばしば宮を留守にされて大丈夫なのですか?」

「いいのですよ、私はどうせ隠居の身ですから。
それともお邪魔虫かえ?」

ヘミョンはミンスを見て苦笑する。

「そんな事はありませんよ。
ごゆっくりなさって下さい。
私は隣の部屋で絵を描いておりますので。」

「はい、頑張って!」

太皇太后は屈託がない。
手土産と言っては、料理長に作らせた宮の料理を持参し
3日と空けずにやってくる。

お祖母様にとって、ここは別天地だ。
履物を脱いで部屋に入り、生活空間に繋がりがあり
一緒に暮らす人の息使いさえ聞こえる温かさがある。

一番最初は食事の心配をして差し入れを持ってきたのがきっかけだが
それからお祖母様はしばしばここを訪れるようになっていた。
ヘミョン専属の元イギサを呼びつけては出かけるので
宮としても許可せざるを得ない。


バリ、バリ、バリ。
太皇太后はおせんべいをかじりながらテレビを見る。
時にはソファに寝転びながら。

「お祖母様、お行儀が悪いですわ。」

「ヘミョン、これが国民の暮らしなのですよ。
あなたはドラマを見ないのですか?」

「全く見ません。」

「よくそれで女王が務まりましたね。
ドラマの中には国民の生活が溢れている。
勉強になりますよ。」

太皇太后はそう言うと、ポリポリお尻をかき始めた。

「お祖母様、ここが痒いのですか?」

「いや、痒くない。」

「なら、どうしてそのようなお下品なマネを。」

「ドラマでやっていた。
こうして寝転んでお尻をかきながら、テレビを見ていたのだ。」


何か間違った情報を仕入れてしまったお祖母様。
全国民が皆そのようにテレビを見ているはずもなく。

だけど、気持ちはわかる。
ずっと宮で生きてきたお祖母様にとって珍しい事ばかり。
ヘミョンはこうして国民に近い場所で暮らすようになって
宮は狭くてなんて窮屈な世界だったのだろうと感じるのだ。

同じ年頃のお年寄りがリラックスしてテレビを見ているのに、
お祖母様は韓服姿でしゃんと座っていなくてはいけない。
こんな風に寝転んでテレビを見るなんて事は
きっと産まれて初めての事に違いなく。


いつの間にかうたた寝をしてしまわれたお祖母様に
ヘミョンはそっと布団をかける。

     お祖母さま、お幸せな人生ですか?
     宮はお祖母様にとって、どんな所ですか?

窮屈な宮を出て、自由な世界に飛び立つ。
自由な空から、鳥かごのような宮で生きる。

どちらが順応しにくいか、言うまでも無い。

ヘミョンは、光化門の上で
一生懸命手を振っていたチェギョンに思いを馳せた。

「僕がチェギョンの翼を折ってしまったんだ。」

苦しそうに顔をゆがませていたシン。
彼の心にその思いが一筋も残らなくなった時、
シンとチェギョンは本当の夫婦になれるのではないだろうか・・・


      ファイティン!!

窓からかすかに見える宮を眺めながら、ヘミョンはつぶやいた。







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[2016/06/23 07:25] | # [ 編集 ]

Re: あんにょん♪
per~さん、おはようございます。
今朝もありがとうね~♪

お祖母様はちゃっかりお邪魔虫して
今まで出来なかった事を満喫しています。
ちょっと的外れなヘンテコな事もしちゃっていますが
お茶目な方だから、かわゆいですよね。
これはヘミョンにとってもいい事だったかもしれない。
書いた後に、そう思いました。

明日からの韓国、楽しんできて下さいね。
お友達も行けてよかったです。
天気は割とよさそうですよね。
お土産話、待ってまーす!
気をつけていってらっしゃい♪


[2016/06/23 08:04] URL | Luna #- [ 編集 ]

拍手鍵コメのRさんへ。
Rさん、こんにちは。
今日もありがとうございます♪

ヘミョンの新婚生活を書こうと思ったら
なぜかお祖母様のこんな姿が浮かんできてしまい・・・
大好きなテレビをリラックスして見せてあげたかったのかな。
今頃、気持ちよくお昼寝タイムかしら。

うちの母がテレビを見てはうたた寝をしているので
こういう光景は庶民の代表的な姿かと思われます。
2時間ドラマの途中で寝ちゃうので、再放送も新鮮!
しかもまた途中で寝ちゃうので、再再放送もなんのその。

小説の題材って、すぐ近くにあるものなのね~。
また、母親観察に勤しみまーす。
[2016/06/23 14:10] URL | Luna #- [ 編集 ]

たくさんの感動を…
Lunaさん~
こんばんは~☆

そちらの雨は大丈夫でしたか?
チェギョンの涙のように、あちこち大洪水で異常気象が心配ですね!

今週も更新ありがとうございましたm(__)m

サンヒョンとジョンミンの機転の効いた連携プレーで無事ヘミョンさんはミンスさんのもとに…

それぞれの別れに感動があり、交わす言葉も気持ちがこもっていてウルウルします!

宮にはこういった素晴らしいメンバーがいるから大丈夫ですね!
ジョンミンは別枠ですが何時でも活躍してくれそう!
ヘミョンさんの未来への旅立ち騒動も落ち着いたら、皇帝夫妻は何とも微笑ましい会話を(笑)

イジワルな旦那様だけど大好きなのよね(笑)
お姉さまが思う「二人が本当の夫婦になるとき」…は重みがありますね!

…で、おばあ様はやはりヘミョンさんのところへプチ逃避行ですか~(笑)
また楽しいこと発見ですね☆
お尻ボリボリに(爆)
涙あり笑いありで、たくさんの思いが詰まった展開に感謝致しますm(__)m


ミンスさんは料理長のお料理で飢え死にせずに済んでますね(笑)

来週も楽しみにお待ちしてます♪
[2016/06/23 20:08] URL | くこまりぶー #- [ 編集 ]

Re: たくさんの感動を…
くこまりぶーさん、こんばんは。
今日もありがとうございます♪

明け方近くにすごい豪雨だったらしいのですが
私は爆睡中で気が付きませんでした。。。
降らなくて困るところには降らず
降ってはいけないところに降る雨。
自然は厳しいですね。

お祖母様のくだりは、書いた後
一気に消してしまおうかと思ったのですが。
ちょっと宮らしくないかな・・・と。
でも、手を加えてお茶目にしてみたら
お祖母様らしくて気に入りました。
そんな気持ちにもなるわよね~って。

ヘミョンの旅立ちの後も、宮は変わりなく続いていきます。
友達夫婦の会話に、しっかりと根付く信頼関係。
時を重ねても、この夫婦はこんな感じでしょうね。

皆の愛をいっぱい受けて、新しい生活を始めたヘミョンと
宮という囲いの中で頑張って生きているシンとチェギョン。
色々と感じる事があり過ぎて・・・
想いのたけを、ここで一気に凝縮してみました。
[2016/06/23 21:55] URL | Luna #- [ 編集 ]


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