宮2を夢見て~シンとチェギョンの物語~
韓国ドラマ「宮」に魅せられて未だ「宮2」をあきらめられず、あれこれ妄想しています。
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残月 17
家族揃っての夕食会は、皆の好物を結集したような内容だった。
3日前から、チェギョンと料理長が頭を突き合わせて
練りに練ったというメニュー。
美味しくって、温かで楽しい夕食会になった。

デザートが運ばれてきた時に、ヘミョンが椅子に座り直し
皆を見まわした。

「あの、この度は私の結婚話でご迷惑をおかけしています。
この場を借りて、お詫びとお礼を言いたかったの。
皆さん、色々すみません。」

「お詫びなんて・・・
全然そんな事ないよね、シンくん。
結婚はおめでたいことなのだから。
私はうれしくてたまりません。」

チェギョンが直球を投げてくるから、シンはしかと受け止める。

「こちらこそ、力が及ばず申し訳なく思っています。
もうちょっと待ってほしい。
必ず何とかしてみせるから。」

シンの言葉に、ヘミョンは首を振った。

「もう、いいのよ。 シン。
どのみち、宮を出ていくのだから。
先に皇籍離脱をすることにします。
その方が話が早いわ。」

「ヘミョン。
早まることはない。
もっと時間をかければ、きっとわかってもらえる。」

ヒョンは娘を気遣って言った。

「大丈夫よ、お父様。
私は面倒な事は省きたいのです。
しなくてならないことがたくさん見えてきたので。」


「それは獣医になる事か?」

太皇太后の低い声に、場が静まり返る。

「あらっ、ご存じでしたか?
そうなのです、今から頑張ります!」

ヘミョンは敢えて明るく答えた。
まだ納得のいかない顔をしている太皇太后に
今の自分を説明しても仕方がないと思う。
これからの生きざまを見せるしか、答えはないのだ。

「王族会にそのまま伝えるつもりですか?」

「ええ。
そのつもりでいます。」

「結婚の件で騒いでいるというのに、そんなことがまかり通ると思うのか?」

太皇太后は手厳しい。


事の成り行きがまだ掴めていないユルに、チェギョンが小声で教えている。

「女王だった人間が、獣医になるという・・・
王族会がますます大騒ぎになるぞ。」

太皇太后はたたみかけてくる。


その言葉にユルが首をかしげていた。

「どうした、ユル?」

場を和ませようとシンはユルに声をかけた。

「うん、ちょっとわからない部分があって・・・
確かにヘミョンヌナは元女王だけど
一般人になってからの職業まで、王族会に制限される事はないですよね?」

率直な疑問を、今度はヒョンに投げかける。

「そうだな・・・
それは構わないと思う。」

「じゃあ、私達がクビになった時はトッポギ屋さんになれるって事よね?」

チェギョンはシンに同意を求める。
シンはシブイ顔をして、空気を読めよという仕草。

「ぷっ!
チェギョンの夢はデザイナーじゃなくて、トッポギ屋さんだったのね。」

ヘミョンが笑い出した。
皆もつられて笑い出す。

「僕も皇籍離脱を考えた時に、何をして生きていこうかと考えました。
ヘミョンヌナとは立場が違いますが、基本は同じだと思うんです。
皇族でなくなったら、自分という個体は不安定極まりない。
それを証明できるものは、自分自身がちゃんと生きてみせる事です。
ヘミョンヌナはしっかりした夢を持っておいでだ。
是非、実現していただきたいなと思います。」

ユルが急に真面目になって言うから、皆も居ずまいを正す。

ヒョンはしばらく考え込んでいたが、ヘミョンに向かうと言った。

「王族会の承認は得ずに、皇籍離脱を済ませ
宮を出てから結婚をするつもりなのだな?」

「ええ。
王族会には、ご報告という形を取らせていただきます。
これから先の宮の行事にも参加するつもりはありません。
非公式な席だとしてもです。」

「ここは、あなたの実家なのですよ。
そこまでしなくとも・・・」

ミンは泣きそうになっている。

「王族会に楯つくわけですから、これくらいの覚悟がなくては・・・
それに忙しくて実家に帰る暇もないですわ。」

ヘミョンは笑って答えた。

「ヘミョン。
それでいいのですね。
絶対に後悔はしないでしょうね?」

太皇太后は今一度確認をした。

「ええ、後悔はしません。
夢も実現させ、結婚もします。
どうか、お許し下さい。」

ヘミョンは立ち上がって皆に頭を下げた。



パチ、パチ、パチ。

大きな拍手はシンの手から起こった。
それをみて、チェギョンも懸命に拍手する。
いつしか、家族全員が立ち上がって拍手をし、
給仕係として近くに居た女官・尚宮も皆拍手をしている。

「・・・ありがとう。
ありがとうございます。」

ヘミョンは溢れ出る涙をぬぐおうともせずに皆を見つめていた。





「お姉様、これは一体どういう・・・」

ヘミョンの部屋に呼ばれたチェギョンは、
部屋の半分を埋め尽くす服の山に驚いた。

「チェギョンはリフォームが得意でしょ?
この宝の山を何とかしてちょうだい。
ここにあるのはほとんど1、2回しか着ていない服ばかり。
晩さん会や夕食会に同じ服は着られないし、新調してたら
結局こんなになっちゃったの。」

ピラピラやチャラチャラした服はみんな置いてゆくと言うヘミョン。

「大学生になる人に、こんな服は必要ないでしょ?
それにしても、これから着る服がなーい!」

箱に詰め込まれた普段着はごくわずか。
ヘミョンの今までの暮らしを象徴している。

「それにしても・・・すごい数ですね。
これだけお仕事をしていらしたという事ですよね。」

女王時代は本当に忙しかった。
連日の晩餐会や夕食会。
ここにある衣装の数だけ仕事をこなしていた事になる。

「・・・お疲れ様でした。
お姉様、お嫁に行くのが遅くなっちゃってごめんなさい。
私が不甲斐無いばっかりに・・・」

「あらっ、イヤだ。
私はまだまだ若いのよ。
これから大学生なんだから、若造りもしなくちゃね。」

ヘミョンはウインクしてみせた。

チェギョンは、部屋の片隅にまとめられた荷物を見る。
そこには家族それぞれの思いが籠ったお祝い品が山と積まれていた。
チェギョンが贈った、調理道具一式は一番奥に押しやられている。

「あの、お姉様。」

「なーに?」

ヘミョンは荷造りの手を止めずに返事をする。

「お料理を作った事はあるんですか?」

ヘミョンは思わず固まった。

「あ、あるわよ。
旅してた時には、キャンプみたいな生活も体験したし。
お肉を焼いたり、野菜をジュージュー焼くみたいな。」

「それって、お料理ですかぁ~?」

チェギョンは疑わしい目付きになる。

「結婚までには、まだ時間があります。
今日から、私と料理長でお料理の特訓をしますね。
幸い、しばらく宮中での仕事が続くので ちょうどよかったわ。」

「いいわよ。
何とかなるって。
ご飯はミンスが作るような事を言ってたしィ~。」

「それはそれとして。
ミンスさんが忙しい時には、お姉様が作ってあげないと。
ご飯は座ってたら自動的に出てくるものじゃないのですから。」

宮で暮らし始めて、チェギョンは驚いた事がたくさんあった。
自分の身の回りのことを何もしなくてもいいのだ。
決まった時間になれば、温かいご飯が出てきて
入浴して脱ぎ捨てた衣服は、翌日綺麗に洗濯され衣裳部屋に戻る。
お菓子を食べて床を汚しても、すぐに掃除がなされ
お布団はいつもフカフカで清潔だ。
最初は楽チンと喜んだが、ある日ふと思った。

   こんな事してたら、私 ダメになる。

それからは、シンの夕食が遅くなる時はチェギョンが給仕し
女官達は早めに上がらせる。
時には、ケーキを焼き クッキーを作る。
もちろん料理長の方が美味しいに決まっているけど
エントランスにまで広がる甘い香りは皆を幸せな気分にした。
これは皇后になった今でも、変わらない。

自分の価値観を押し付けるつもりは毛頭ない。
ただ、宮で長く暮らす人達やここで産まれて育った人達の感覚が
一般人と違う事は確かだ。
宮を出て暮らすのなら、その差は少しでも埋まった方がいい。

今回は嫌な小姑になってでも、
ヘミョンの料理の腕を普通の水準にしなくては・・・
生きる事は、すなわち食べる事。
チェギョンらしいはなむけだった。





コメント
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[2016/05/26 08:31] | # [ 編集 ]

やっぱりチェギョン!
Lunaさん

こんにちは
チェギョンはやっぱり進化しつづける素敵な女性に
なってますね
時を無駄に重ねてないのと良い意味で庶民の生活を
知っている彼女のベースはこれからの宮に多いに活かせる

ヘミョンさんへの・・
生きるのベースは食べるってこと
大事ですわ~

Lunaオンニの描かれる宮のその後は、地に足がついているリアルなお話にで・・・本当にこうなっていて欲しいと
願う世界観です

ありがとうございます

[2016/05/26 10:20] URL | 墨衣 #- [ 編集 ]

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[2016/05/26 10:50] | # [ 編集 ]

NoTitle
おはようございます Lunaさん

更新ありがとうございます。

さすがです ヘミョン!!
潔くって惚れ惚れします。

もちろん心を決めるまでには
悩んだのでしょう。

でも、信念に基づいて進んでいくんでしょうね。

環境が大きく変わるのはそれは大変な事
必要に迫られて覚える事もたくさん!
お料理も...

でも、失敗しながら上手になるものですよね (≧∇≦)

これからのヘミョンさんが楽しみになりました。
[2016/05/26 10:59] URL | derufi #- [ 編集 ]

Re: あんにょん♪
per~さん、こんにちは。
今日もありがとうございます♪

ヘミョンオンニはきっと料理が出来ないに違いない。
庶民感覚でそう思った次第でございます。
何もしなくてもご飯が食べられるのは羨ましい限りですが
たまには料理がしたくなるかもしれないですね。
仕事が忙しい時は本当に嫌なんですけど~。

花フェスタは楽しかったのですが、バラのてんこ盛りで
何事も程々がいいのではと思いました。(笑)
[2016/05/26 13:55] URL | Luna #- [ 編集 ]

Re: やっぱりチェギョン!
墨さん、こんにちは。
表コメをありがとうございます♪

折角の二次小説なのだから、もっと夢のあるお話をと思うのですが
景福宮で生活している感を出したくて こうなっております。
実際にこの人達が宮で動いていたなら、
どんなに楽しいだろうと思うのですよ~。

庶民感覚のリアルな展開が続いていますが
どこかでテイストを変えてみようとは思っております。

生きる事は、食べる事。
しっかり食べて、暑い夏を乗り切りましょう!
[2016/05/26 14:05] URL | Luna #- [ 編集 ]

Re: NoTitle
derufiさん、こんにちは。
コメントをありがとうございます♪

ヘミョンを演じた役者さんは大好きな方で
今回もものすごく傾倒して書いております。
本編でのさっぱりした言動がよかったですよね。
他のドラマで拝見しても、元々潔い方なのだと感じます。

ヘミョンオンニをいっぱい書きたくて、
しばらくは「ヘミョン祭」になりそう・・・
よろしかったらお付き合い下さいね。
シンチェも程よく絡めてみます♪
[2016/05/26 14:13] URL | Luna #- [ 編集 ]

拍手鍵コメのRさんへ。
Rさん、今日もありがとうございます。

宮に入ってとまどったチェギョンと、
宮から出てとまどうであろうヘミョン。
どちらも同じように大変なのでは・・・
両方の世界を知るチェギョンは
うるさい小姑になって、大好きなオンニを鍛える事でしょう。
これはチェギョンにしかできない事ですよね。

愛がなくては生きて行けない、愛だけでは生きていけない。
まさしく、これですね。
[2016/05/26 19:53] URL | Luna #- [ 編集 ]

小姑チェギョン(笑)
Lunaさん~
おはようございます☆

更新ありがとうございます(^-^)v

ヘミョンさんの道筋は固まりましたが、実際生きて行くための術にはチェギョンの感覚が必要ですね!

宮で育った人との、どうしようもない感覚の違いを少しでも現実的にしなくては…

まずは着る物より食べる物ですね(笑)

いつもお茶目なおばあ様も今回ばかりは食い下がりましたが宮の生活が一番長いからこそ応援して下さいますね!

ミンさんも寂しさは拭えないでしょうが…

シスコンシン君が一番に拍手したのが意味深いです!
来週も楽しみにお待ちしてます(^-^)v
[2016/05/27 08:23] URL | くこまりぶー #- [ 編集 ]

グサッ(爆)
こんにちわぁ

ユル君の助け船といいますか、ユル君も宮を離れると考えた人ですもんね。

確かに上げ膳据え膳・・・結婚前の自分を指摘されているようだったわぁ(汗)あっ!言い訳しちゃおう・・・高校のお弁当は自分で作ったりしてましたよ(毎日じゃないけど)

チェギョン先生による花嫁修業がスタートのようですね♪
炊事洗濯・・・やること 覚える事はてんこ盛り!!

大きな姫様頑張って!

いやいや・・・うちに娘も姫だわぁ~なんも出来ないよ

墨チャマ こちらではおひさぁ(^.^)/~~~
[2016/05/27 12:48] URL | masaayafigft #- [ 編集 ]

Re: 小姑チェギョン(笑)
くこまりぶーさん、こんばんは。
コメントをありがとうございます。

一般家庭から宮に嫁いだチェギョンは、全体がよく見えていますね。
彼女の目には、これからの生活がしっかりと形となって映るのでしょう。
家庭の事が何もできないヘミョンと、それを補って奮闘するミンス。
それはそれで楽しいのかもしれませんが、小姑は
毎日の生活はそうも言ってられないわよ~って。

こればかりは、お祖母様もミン妃様も役立たず。(笑)
食べる事を押えておけば、大方は大丈夫!
チェギョンらしい、後押しかなって思いました。

シスコンシンくんもそろそろ姉離れをしないと。
ヌナがお嫁に行くって、こういう事なのでしょうね・・・
[2016/05/27 20:12] URL | Luna #- [ 編集 ]

Re: グサッ(爆)
masaayafigftさん、こんばんは。
コメントをありがとうございます♪

いやいや、私の方がひどいのです。
本当になーんにもしなかった。
大学に入って一人暮らしをし始め、やっとご飯を作りました。(爆)
親の有りがたさが身にしみてわかり感謝したものです。

ここは、ヘミョンさんにも身にしみていただこうと思っております。
ご飯は作らなければ食べられないって事から始めないと。
本当はチェ尚宮にビシバシしてほしかったけど
彼女は産休中だったわ・・・

しかーし、一度でいいから宮で暮らしてみたいものですね。
体験ツアーがあったら、速攻行きます!!

[2016/05/27 20:35] URL | Luna #- [ 編集 ]

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[2016/05/28 06:34] | # [ 編集 ]

鍵コメのTさんへ。
Tさん、こんばんは。
コメントをありがとうございます♪

宮で生まれ育ったら、当然炊事洗濯はしなくていい訳で
ご飯も炊けないかもしれませんね。
そういう人にはどこから教えたらいいのでしょう・・・
王立学校って家庭科はあるのでしょうかね?

お話を書き進めるのに、色んな疑問が湧いてきてしまいました。
庶民が書く宮、たくさんの矛盾をはらんでおりまする。
チェギョンが庶民出でよかったわ。
[2016/05/28 20:03] URL | Luna #- [ 編集 ]


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