宮2を夢見て~シンとチェギョンの物語~
韓国ドラマ「宮」に魅せられて未だ「宮2」をあきらめられず、あれこれ妄想しています。
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残月 13
「すごいわね~、さすが!」

チェギョンに褒められて、チョン女官とバン女官は照れくさそうだ。

2人は揃って尚宮試験に首席合格した。
点数もほぼ同じで、どちらもイージーミスをしただけだ。
普段から厳しいチェ尚宮に鍛えられてきたせいもあるが
長年女官として東宮時代からシンとチェギョンを支えてきた経験が
合格に繋がったと言えよう。

「ミニキッチンでささやかなお祝いをしてあげるわ。」

チェギョンはうれしそうに2人を招いた。

いつの間に作ったのだろう、
そこには果物がたっぷりのケーキが置かれていた。
ユ尚宮が紅茶を運んで来る。

「あ、すみません。 私がします。」

バン女官が慌ててユ尚宮に駆け寄った。

「いいのよ。
今日は2人のお祝いだから、座ってて。」

「・・・すみません。」

チョン女官も申し訳なさそうだ。


チェギョンがろうそくに火を灯す。

「2人とも合格おめでとう!!
さあ、一息で火を消してね。」

ふぅ~~~!

「ありがとうございます!
これからもしっかりとがんばりますので、よろしくお願いします。」

「頼んだわよ!」

女性だけのちょっとした息抜き。
特別扱いはするまいと心に決めてはいるが
嫁いだ頃から一緒にいてくれる者達は、やはり特別なのだ。
つらくて泣いてばかりいた毎日を支えてくれたのは彼女達だったから。
責められたら、ちゃんとした言い訳が用意できない。
だってハートの問題だから。
これだけは許してもらいたかった。


「尚宮が4人・・・
これでみんな、安心して結婚・出産ができるわね。」

チェギョンはにっこり笑う。

「チェ尚宮さんがもう一人産むって事になっても充分やっていけそうですね。」

その言葉にうなづきながら、チェギョンはみんなに意味深な目を向ける。

「ところで、どうなの?」

「えっ、何がですか?」

「みんなもいい人がいるんじゃないの~?」

「いい人って、彼氏の事ですか?」

バン女官が言う。

「あったりまえじゃない。
ねえ、いるんでしょ?」

この~!、この~!と、チェギョンの攻撃が始まった。

「いませんよ。
だって、女官・尚宮法が改正されたのは ついこの前じゃないですか。
それなのに、彼氏がいたら法度を守っていなかったってことに・・・あっ。」

チョン女官は思わず口を押えた。
チェ尚宮の事が頭をよぎったのだろう。

「いいのよ、あの2人は私が煽ってしまったからなの。
チェ尚宮もつらかったと思うけど、結果オーライ!
可愛いジウンちゃんも授かってよかったと心から思っているわ。
だからね、みんなも仕事は程々にして 
彼氏探しに力を入れてちょーだいね。」

「でも、結局はイケメンに皆が殺到して倍率が高いんですよ。
おまけに性格もいいときたら、争奪戦もすごいんです。」

「誰がモテているの?」

「今の一番はクォン内官さんですね。」

「そうです! 彼はいい人です。」

バン女官とチョン女官は口ぐちに褒める。
ユ尚宮は全く興味がない様子だ。

「他には?」

チェギョンは身を乗り出してきた。

「イギサのチョさん、ムンさん、カンさん。
彼らもイケメンというだけでなく、真面目で優しいので。
内官さんでは・・・やはりクォンさんくらいかな。
以前はハ内官さんがダントツ人気でしたね。」

バン女官は勿体なくて仕方がないという様子で言った。
その時、ユ尚宮の頬がピクリと動いた事には誰も気が付かなかった。


ハ内官。
その名前を久しぶりに聞く。
あれから宮では触れてはならない名前だからだ。

彼が宮から急に姿を消した頃、ユ尚宮は温陽にいた。
もの静かなヒョン先々帝の元で、きっちり仕事をこなしながら
彼女は心穏やかな日々を送っていた。
景福宮で行事がある時は、助っ人として駆り出される事もあるが
それ以外は、訪れる人も少ない温陽は静かで平和だった。

ある日、人手が足りないからと景福宮に呼ばれた。
久しぶりの宮は活気にあふれており、ユ尚宮には少しまぶしい。
彼女の変わらない堅い仕事ぶりにチェ尚宮は感心する。
黙々と働いていた彼女がふともらした。

「ハ内官さんとナム尚宮の姿が見えないけど、どうかしたの?」

チェ尚宮は一瞬息をのんだ。
王族会との確執問題もあり、真実はごく一部の者しか知らない。
表向きは、ハ内官は長期の海外出張で
ナム尚宮は家庭都合の退職ということになっている。
皆が信じているかどうかは別にして、
そこは触れてはならない領域になっていた。

急な質問にチェ尚宮は表向きの理由をしどろもどろで答える。
ユ尚宮は短く「そう・・・」とだけ言って、また仕事に没頭していた。
ハ内官はともかく、同期のナム尚宮の事は話してもいいのではないか。
口の堅いユ尚宮は決して誰にも話したりはしないだろう。
そう思ったが、ユ尚宮はそれ以上の質問はしなかった。

ナム尚宮は、おそらく花嫁修業をするので宮を辞したのだ。
ハ内官と結婚するために・・・
ユ尚宮はそう解釈したのだ。
2人が付き合っていることはずいぶん前から知っていたから・・・




あれは、ユ尚宮が尚官試験に合格してからしばらくの事。

若くして合格した同期、チェ尚宮とナム尚宮と共に
ユ尚宮はひどいイジメにあっていた。
当時の宮は昔からの気質を後生大事に引き継ぎ、
陰険なイジメをしていたのだ。

気が強いナム尚宮はそれをバネにより一層の努力をし、
歯を食いしばって上へとのし上がってきた。
我慢強いチェ尚宮は毅然とした態度でイジメをはねのけ
皆の信頼を得てきた。

だが、ユ尚宮は人一倍繊細で 
一つ一つの事を真正面から受け止めてしまう。
彼女の気持ちはどんどん落ちていき、
普段の業務もままならない状態になってきた。
そんな時、ハ内官が陰になり日向になり彼女を庇ってくれたのだ。
日々の仕事で精一杯のはずなのに、彼はよく励ましてくれた。
精神的にマイってしまっているユ尚宮が
次第に心惹かれていったのは想像に難くない。

有り難かった。
彼の優しさに救われ、ユ尚宮はギリギリのところで
歯を食いしばって頑張っていた。

ある日、休憩時間に宮を散歩していたら 木陰で本を開くハ内官を見つけた。
日頃の気使いのお礼を言おうと近づいた時、
その先からナム尚宮が歩いてくるのが見えた。
ユ尚宮は咄嗟に身を隠す。
木々の間から様子を窺うと、2人は挨拶を交わしているようだった。
ナム尚宮の明るい笑い声が聞こえてくる。

彼女が通り過ぎて行くのを待っていたユ尚宮は、見てしまったのだ。
2人の身体がすれ違う寸前、
握り締めた手と手が離れがたく宙に浮かんだのを。

ユ尚宮は、モデルのようなナム尚宮の後ろ姿を茫然と見送った。





「ユ尚宮?」

「えっ?」

「もう、ボッーとしちゃってどうしたの?」

顔を上げると、チェギョンの瞳がすぐそばにあった。

「あ、すみません。」

「ユ尚宮は、この手の話には全く興味がなさそうね。
本当は次に結婚してほしいのだけどね~。」

屈託のないチェギョンの笑顔がまぶしい。

ユ尚宮は曖昧に笑って目を伏せる。

大好きだった人は、長期出張から戻ることはなかった。
誰にも聞かなかったけれど、宮にいる者ならわかる。
彼はここに居られなくなったのだ。
それはどんなに望んでも、もう二度と会えない事を意味する。


ユ尚宮は恋心を胸の奥深くに封印した。
二度と蓋を開けられないよう、深く深く・・・沈めた。


誰にも知られずに終わった恋は、今どこにいるのだろう?

ユ尚宮は胸にそっと手をあてた。






コメント
拍手鍵コメのRさんへ。
こんにちは。
コメントをありがとうございます。

好きな人が、自分と同じ想いをもってくれるのは
なかなかない事なのですよね。
この広い世界で、それは奇跡みたいなもので。

成就した恋の足元には、たくさんの失恋達がいるはず。
それもちゃんと描きたいなって思いました。

私も「失くした恋」、色々あったなぁ~。(笑)
[2016/05/09 13:39] URL | Luna #- [ 編集 ]

こんにちは~☆
Lunaさん~
更新ありがとうございますm(__)m

連休中はおじゃまできず本日二話連続で読ませていただきました☆

ユル君の恋…
大切で居心地の良い関係だからこそ、臆病になるのでしょうね!
やはり気取らない女性を選ぶようで…素敵なカップルですね!
今のまま…そう願うのも理解できます!
ただチェギョンには物足りないようですが(笑)

思慮深いユル君だからこそ最終的な結論を出せずにいるのかな!?

シン君もチェギョンも各々の考えで見守ってくれているから、いつか違う形で幸せになれるといいですね!

ユ尚宮の過去に淡い恋が存在した上に、お相手があの事件の彼とは… 嵐のような出来事の中シン君が苦悩したのを思い出します!!

チェギョンが願う皆の幸せのためには複雑な恋模様も存在するのかな!

時間をかけてゆっくりと…ですね(^-^)v

Lunaさん~一気に満開となった梅と桜も散り出し、近くの公園も寂しくなりつつあります!
昨日はライラックの開花となった北国です♪
そちらは朝から雨模様でしょうか?
GWのお疲れが出ませんようにm(__)m
[2016/05/09 13:57] URL | くこまりぶー #- [ 編集 ]

Re: こんにちは~☆
くこまりぶーさん、こんばんは。
お元気そうで何よりです。
季節外れの雪が降ったでしょう?
テレビを見てびっくりしました。
雪をかぶった桜が寒そうでかわいそうでしたね。

ユル君はまだ一悶着も二悶着もございます。
かわゆい茶髪の皇子様をいたぶるのが好きな越後屋。
ユル君ファンの方々、ごめんちゃーい!

ハ内官はずっと忘れられないオリキャラで、
宮の中にも忘れられない人がいるんではないかと考えたのです。
ユ尚宮には可哀相な事しちゃった・・・
ま、人生はそんなに甘くないからね~。(笑)

ライラック、ステキです。
北国も春がやってきましたね。
こちらは梅雨のような雨模様ですよ。

今日もありがとうございました♪
[2016/05/09 19:54] URL | Luna #- [ 編集 ]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2016/05/09 21:43] | # [ 編集 ]

Re: あんにょん♪
per~さん、こんばんは。

そうね、もうバラの季節なのですね。
per~さんちのバラも頑張って咲いてる~、綺麗だわ。

GWは宇治・京都に行って来ました。
平等院、三十三間堂、霊山歴史館など行きたい所へ気ままに。
日本人の方が少ないという現状に驚きつつも
京都はやっぱりいいですね。
久しぶりに坂本竜馬に会ってきましたよ~。
(霊山歴史館にいらっしゃるのです。)


色々な恋模様を描いていると、それなりに生きてきたんだと実感します。
自分だけでなく、周りの友人達の生きざまも織り込みながら
経験を上手く文章に載せていけたらいいのですが・・・
これがなかなか難しく。
次回はまた別の人のお話です。

今日もありがとうございました。
外はまだ雨が降っています。。。
[2016/05/09 23:01] URL | Luna #- [ 編集 ]

想い想われ・・・
おはようございます

ん~久々の晴天!!太陽が眩しく洗濯物がよく乾く♪

ユル君のチェギョンへの想いとは違う穏やかな「愛」
このまま育んで穏やかな明るい家庭を築いてほしいなぁ
TVでは何か・・とても悲しかったから(T_T)

宮に仕えし方々も皆 幸せになってほしいですねぇ
媽媽の想い通りに♪

恋心・・・あれ?昔過ぎて・・・ふふふ・・・
[2016/05/12 08:04] URL | masaayafigft #- [ 編集 ]

Re: 想い想われ・・・
masaayafigftさん、こんばんは。
コメントをありがとうございます♪

気持ちのいい一日でしたね。
昨日までは梅雨みたいでしたもの。

歳を重ねると、恋もだんだん穏やかになってくるんですよね。
若い時は情熱で突っ走れましたが、それだけではいけないって気が付く。
つまんなくなるって言えば、そうかもですね。
特に宮の皆さんはいいお歳になっていますので
自分の想いのままに駆け抜けることはしないでしょう。

勢いで結婚しちゃった姫には理解できない想い。
KYな姫に掻き回してもらった方がいいかもしれませんね。
[2016/05/12 22:25] URL | Luna #- [ 編集 ]


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