宮2を夢見て~シンとチェギョンの物語~
韓国ドラマ「宮」に魅せられて未だ「宮2」をあきらめられず、あれこれ妄想しています。
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残月 6
「どうしたの? 気分が悪い?」

ガンヒョンはしゃがみ込んだまま、声の主の靴を見ていた。
ヒールの高い先のとがった高値そうな靴。
赤いその靴を見ていたら、また胸が苦しくなってきた。

「相当具合が悪そうね。
私の肩につかまって。
すぐそこに確かベンチがあったはず。
頑張って歩きましょう。」

その人に支えられて、数歩歩く。
香水の匂いがキツくて、思わず顔をそむけてしまった。

「吐きそうなの?」

彼女は自分の匂いだとは気が付かず、ハンカチを差し出した。

「大丈夫です。
ありがとうございました。
もう、自分で歩けますので。」

やんわりと断ったつもりだったが、彼女はとことん面倒をみるつもりらしい。

「後少しだから、頑張って。」

ベンチに近づくと、そのハンカチを敷いてガンヒョンを座らせた。

「人込みは嫌ね。
歩くだけで気分が悪くなる。」

     いや、私はあなたの香りが・・・

親切な彼女にそんな事を言えるわけも無く。
ガンヒョンは「ありがとう。」と言ってうつむいた。

流行りのスーツ、ショートヘアに大きめのショルダーバッグは
いかにもキャリアウーマン風だが、装飾品や靴がチグハグな印象を受ける。
腕を組んだ指先に光る指輪はOLの手が届く代物ではない。

     こんな時に私ったら・・・

ガンヒョンは苦笑した。
本好きが嵩じて、趣味で小説を書いたりしている関係で
すぐに人を観察してしまう悪いクセ。
今もこの香水臭い彼女の日常をあれこれ思い描いてしまうのだ。

「少しは気分がよくなったみたいね。」

彼女はガンヒョンを覗きこんで言った。

「ええ。 もう大丈夫です。」

彼女から去ってくれないと、ちょっと困る。
ガンヒョンは思わずモジモジした。

「いきなり動いたらダメよ。
もう少し休まないと。」

彼女は全く意に介せずに、どっしり腰を下ろしたままだ。


「電気屋さんの前にベンチを置くってどーよね。
疲れてボッーとしたいのに休めないじゃない。」

よくよく見れば、そこは電気屋さんの前だった。
数台のテレビが色々な番組を映し出している。
元気のいいレポーターがスイーツの紹介をしていたり
アニメやクイズ番組も放映されていた。
と、その中の数台がニュースを映し出した。
画面いっぱいに見慣れた顔がにっこりとほほ笑んでいる。

     あ、そうだった。
     チェギョンが今日から公務再開だって言ってたわ。

先に車から降りたシンが、チェギョンの手を取りエスコートする。
チェギョンは久しぶりの公務に緊張気味だ。
2人並んで立ち、国民に手を振る姿は皇帝夫妻そのもの。
昨日電話で「あーん、緊張するぅ~!」とボヤいていたのは
一体誰だったのか・・・
初夏に相応しい若草色のワンピースは、チェギョンらしいチョイス。
今年の流行色ペールピンクを全く無視し、
夏に向かって飛び出して行くような元気さをアピールしていた。
また、世の中にはこの色が溢れるに違いない。


「ふふふ・・・
相変わらず、お元気なチェギョン妃だこと。」

テレビを凝視していた彼女が、ガンヒョンに言うともなくポツリと言った。

「ええ。
今日からご公務再開ですね。」

ガンヒョンは何となく相槌を打つ。

「赤ちゃんがお腹に居る時はぺちゃんこの靴だったのに
産んだ途端にまたあんなに高いヒールの靴を履いて・・・
まあ、歩き方もずいぶんさまになってきたけど。」

「皇帝陛下の背がお高いから仕方ないですよね。」

「陛下ねぇ・・・あの氷のような男がよくもまあ、ここまで優しくなれるとは。
チェギョン妃にメロメロじゃないの。」

赤い靴の彼女は、いまいましそうに言った。

     あらっ? もしかしたらこの人は皇帝夫妻を知ってる?   
     お妃候補だった人かしら・・・

ガンヒョンはテレビを見ている彼女の横顔を見た。
全く知らない人だ。

大学生の時、チェギョンが大騒ぎをするから
シンのお妃候補だった女性は大体顔を覚えた。
あの人も、そこの人もみーんなお妃候補だったと言って
チェギョンはしょんぼりしてたっけ。
皆、綺麗に着飾って上品だった。
それでチェギョンはすっかり自信を失くし、下を向く。

「あんたにはあんたの良さがあるのよ。
皇子はそこがよかったんだから、自信を持ちなさい。」

なぐさめるにしても、シンじゃないからよくわからないが
そんなお人形のような女性達より、チェギョンの方がよっぽど面白い。
毎日を一緒に過ごすなら、絶対にこの人だとシンが思ったのは間違いなく。

      でも、今横に居る彼女はどこか違う気がする。

スニョンやヒスンなら王族会の娘さん達の事も詳しいから
明確な答えを出すだろうけど、ガンヒョンは全く興味がないから解る筈も無い。

ふとガンヒョンの方を向いた彼女と目が合った。

「少しは気分が良くなった?」

「ええ、おかげさまで。」

「よかった。」

彼女はにこりと微笑んだ。

テレビは、シンがチェギョンをやさしくエスコートしている画が映し出されていた。

「出産後、最初の公務は夫婦2人で絵画鑑賞だって。
どこまで甘甘なんでしょ。
あの皇子様も大人になったって事かしらね。
若い時は自分の事ばかりだったけど、
やっと相手を思いやる心が芽生えてきたってことかな?
色々と折り合いをつけるのも大切なことよね。」

彼女は一人でうんうんとうなづくと、納得した顔をした。

「もう、一人でも大丈夫そうね。」

「ええ、ご親切にありがとうございました。
もう少し休んだら帰ります。」

「気をつけて。」

彼女は赤い靴をカツンと鳴らし、颯爽と去って行った。


    大人になる。

    折り合いをつける。

    相手を思いやる。


彼女が最後に語った言葉が、頭の中をリフレインする。


     私は大人になっていない。


     きっと、そうなのだ。


ガンヒョンは今来た道を急いで戻り始めた。






コメント
NoTitle
おはようございます(^^♪
えっとぉ今日は火曜日("^ω^)・・・
うかうかしてられませんな、毎日7時に訪問せねば。

あら、誰かしら?
ショートカットにハイヒール。
イメージではヘミョン姉さんだけど、それならお互い顔見知りよね。

女医さん?と思ったけど、医者に香水は禁物だし…
???だれぇ?

G&Gカッポーの喧嘩の原因は、いまだ不明だけど
ガンヒョンが後戻りしたって事は、
仲直りに向けて歩き出したって事でしょうか。


Lunaさん、ブログの背景が変わりましたね。
あの可愛いハナちゃんの写真は無くなってしまったけど、
これも新緑のイメージで素敵です。

でもねぇ、関東は週末からずーっとグズついたお天気が続いてるんですよ。
今朝も雨が降ってます。
満開になった桜も、花吹雪になって散りはじめました。

街には新入社員らしき若者を多く見かけるようになりました。
ナムジャは着慣れてなさそうなスーツに
ヨジャは履き慣れてなさそうなヒールで。

自分の20数年前の事は、すっかり忘れてしまったけど、
力みなぎる季節を感じる今日この頃です。

ではまたー(^.^)/~~~
[2016/04/05 07:25] URL | ぶんちゃん #- [ 編集 ]

何々なんだろぅ???
おはようございます♪

どうしたのガンヒョン?気分が悪い・・・香水がキツイ・・・匂いに敏感=えっと・・・皇后様に続いておめでた?なんて勘ぐってしまうアジュマ(爆)いやぁ~相手もおらんのに只今、私は孫が欲しいになってます(爆)孫だけ!ってのは困りますがね(汗)

相手を思いやる・・・うっ・・・ついついないがしろにしてしまう主人の顔が浮かんだわぁ(汗)
[2016/04/05 08:27] URL | masaayafigft #- [ 編集 ]

Re: NoTitle
ぶんちゃんさん、おはようございます。
今朝もありがとーーー♪

今日は久々の平日休みを満喫しています。
ゆっくり紅茶を飲んで新聞を見る。
たまった冬物の洗濯をし、干す。
しかもー、ジャージのままでぇ~。
し・あ・わ・せ♥

この頃は一話書いてはアップをしており
私にもいつアップできるか、わからないのよ~。
身体が弱ってきたので、気ままにやろうと思っています。

ぶんちゃんさん、この彼女をしかと覚えておいてね。
すごーく大切な伏線なの。
ヒントは「ガラスの靴」です。
この先、いつ登場するかわからないけど
私の頭の中に彼女がしっかりいて、大事なキーポイントになるんです。
早く書きたいな~♪
サクサク書きたいな・・・

こちらはピーカンではないけど晴れています。
明日からはあまり天気がよくないみたい。
桜は短い命だからこそ、心に残る花なのでしょうね。
はかなくて、美しい。
新入社員はそれどころじゃないね。(笑)
[2016/04/05 09:45] URL | Luna #- [ 編集 ]

Re: 何々なんだろぅ???
masaayafigftさん、おはようございます。

ガンヒョンはギョンとのいきさつで、ショックを受けたんです。
いやー、この人は妊娠するという失態(オンニ曰く)はしないと思います。(笑)

相手を思いやる。
歳を取っても全くできない私が、自分を棚に上げて書いておりまする。
いや、歳を取ったから ますます自分勝手になってきたわ。(爆)
うちはダンナも気ままな人なので、いいんですけど。

孫ね、欲しいわね。
Cさんちは3人もお孫さんがいて、双子ちゃんがすごーく可愛いの。
うらやましいわ。
「娘よ、私の体力のあるうちに、産んでくれ~!」と密かに思っておりまする。

今朝もありがとうございました。
今日は平日休みをもらったので、頑張って書こうかな~。
またとんでもない曜日にアップするかもです♪
[2016/04/05 09:53] URL | Luna #- [ 編集 ]

嬉しい油断でした~(笑)
Lunaさん~
こんばんは~☆

昨日もおじゃましたのですが…明日辺りかな~と(笑)更新ありがとうございます(^-^)v

あの冷静沈着なガンヒョンが不調になるほどのギョン君とのやり取りとは何かな…
大人になれないの?
ギョン君を思いやってないの?

妊娠かと思いきやキツイ香水のせいだし…

それにしても高価な物を身に付けながらアンバランスも醸し出す香水女性は誰かな!?
一瞬例の女医さんかと思いましたがイメージが違うし医師に香水はNGですものね…
過去にお目にかかった登場人物でしょうね☆ずいぶん皇帝夫妻に食いつく彼女は今回のお話に絡むのかな!
とりあえずガンヒョンはギョン君に会いに行くようですね!

Lunaさん~東海地方は桜も終盤でしょうか!
見事な満開ぶりを見ると気持ちも春めいてきて日本人だと痛感します♪

次回の更新お待ちしてます(^-^)v
[2016/04/05 18:58] URL | くこまりぶー #- [ 編集 ]


拍手鍵コメのRさん、こんばんは。

そうなの、おっしゃる通りの彼女です。
私はなぜかこの人にとても愛着がありまして
また登場させようと常に思っていました。
やっとここで伏線を張れてうれしいったら♪

彼女のお話はまた別の章でゆっくりと書きますね。
そのお話も頭にあっての登場でした。

今日もありがとうございました♪
[2016/04/05 20:10] URL | Luna #- [ 編集 ]

Re: 嬉しい油断でした~(笑)
くこまりぶーさん、こんばんは。
今日もありがとうございます♪

この頃は1話書いたらアップするという、気ままな公開になっております。
月曜日は仕事が忙しいので、最近は避けているのよ~。

気になる女性が登場しております。
ヒントは「ガラスの靴」なのですよ~。
今回は伏線としての登場で、本格的に絡むのは
また別の章でのお話になる予定です。
彼女はあまりメジャーな登場人物ではないから人気もなかったわ。(笑)

名古屋の桜は満開を過ぎ、名残の花びらが舞っています。
こういう桜も好きで・・・
くこまりぶーさんのところはこれからですね。
楽しんで下さい。
[2016/04/05 20:19] URL | Luna #- [ 編集 ]

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このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2016/04/07 07:19] | # [ 編集 ]

Re: あんにょん♪
per~さん、おはようございます。
コメントをありがとうね♪

疑問を持たれた皆さんにヒントをさしあげていますので
per~さんにも。
「ガラスの靴」に出てくる女性です。
このお話は一連の流れとは全く別のものとして書いたのですが
私の中で相当心に残った章だったの。
いつか彼女に会いたいと思っておりまして
ここに伏線的に登場させました。
これだけ宣伝したら、私が忘れる事もなかろうと・・・怪しいですが。

今朝早くに分別ゴミを出しに行ったら、道路一面に桜の絨毯が。
雨で散ってしまった桜の花びらに上を一人歩く。
とっても贅沢な時間に思えました。
ただ・・・ゴミを両手に持ってなければ、尚よかったわね~。(笑)
[2016/04/07 08:26] URL | Luna #- [ 編集 ]


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