宮2を夢見て~シンとチェギョンの物語~
韓国ドラマ「宮」に魅せられて未だ「宮2」をあきらめられず、あれこれ妄想しています。
プロフィール

Luna

Author:Luna
「宮の世界」へようこそ!

最新記事

最新コメント

最新トラックバック

月別アーカイブ

カテゴリ

FC2カウンター

検索フォーム

RSSリンクの表示

リンク

このブログをリンクに追加する

QRコード

QR

残月 3
インの軍服姿を見るのは初めてだった。
彩は慣れない状況に、前へと踏み出せない。

あんなに会いたかった。
インの胸に飛び込みたかった。
でも・・・何でだろう。
そこにいるのは、インじゃない気がした。


彩が息を切らして自分の元へ走ってくると思っていたインは
やはり軍服で来るのではなかったと後悔した。

入隊してから過去2回の休暇には必ず会っていたけれど
日本人の彩に軍服姿を見せるのには抵抗があった。
どうしてなのか、わからない。
それはほんのささやかな違和感だったはず。
2人の間には国境も異民族という事も、何も関係ないと思っていた。
だから敢えて、この休暇は軍服姿のままで会いたかったのだ。

一緒に軍役についている仲間達が、休暇に迎えに来る彼女に
誇らしげに軍服姿を見せていた。
だが、インは2回とも一旦家に戻り着替えてから彩に会った。
特別な事だとは思わなくて、自然な行為のつもりだったが
思えば、外国人の彼女への気配りだったかもしれない。

韓国人のインから見れば、日本は平和で戦争に程遠い国だという気がする。
世界唯一の分裂国にいる人間と、鎖国までして異文化を拒否し
小さな島国の中で生きてきた祖先を持つ人間との違い。
いつも隣の兄弟国に怯え、憤り暮らしている民族としては
やはり違和感はあるのだ。

その事が異国籍のカップルに影響を及ぼすことはない。
自分達は大丈夫!
そう思ってきたし、おのれに言い聞かせてきた。

だから彩を傷つけたのが、自分の国だったのがつらかった。

彩の話を聞きながら、インは空を仰いだ。


「ねえ、どうして黙ってるの?
何か言ってよ、イン。」

「何も・・・言えないよ。
俺にはどうしてやることもできない。
無力なんだ。」

インは素直に言った。

彩は座ったベンチから、公園の子供たちを見ていた。

「この景色は、日本の公園と同じ。
何も違わないのにね・・・」

小さくついたため息が、インの耳をかすめる。

    これから、どうしよう?

聞くのが、互いに怖い。


韓国人と日本人のカップル。
兵役に行っている男と、待っている女。
それに今度は、遠距離恋愛が加わるかもしれない。

固く抱き合って、愛を確かめ合うはずの休暇が
2人の表情に影を落とす。


長い沈黙の後、インが言った。

「彩、遊園地に行こう。」

「えっ? 遊園地?」

「ああ、そうだ。
遊園地でジェットコースターに乗って、ギャーギャー騒ぐんだ。
宮の2人には絶対にできない事だぞ。
代わりに俺達が大騒ぎしようぜ。」

「・・・うん。」

「まず、着替えて来なくては。
そして美味しいものを食べる。 それからだ。」

「うん!」


2人の間には、まるで漢江が横たわっているみたいだ。
泳いで渡れないし、「愛してる」って叫んでも聞こえない。

でも・・・でも・・・
きっと解決策はある。
世界中の恋人達がいつも一緒に居られるわけではない。
一緒にいても、行けない場所がある2人だっている。
自分たちにも、2人だけのスタイルがあるはず。

並んで歩くインの足取りは、前よりもたくましくなった。
彩は眩しそうに見つめる。
そう感じるのは、たぶんインに惚れているせいだ。
浅黒くなった横顔も、袖をまくった辺りの腕もたくましくなった。


「何を見とれているんだ?」

「イヤだ、見とれてなんか・・・」

「彩の彼氏なんだから、堂々と見ればいい。
ほらっ!」

インは彩の顔をクルッと自分に向けた。
彩は恥ずかしくって、顔をそむける。

「ははーん。 わかった。」

「な、なにがよっ?」

「キスしたくなって困るんだ。」

「や、そんなんじゃないわ。
公共の面前でそんな事を思いもしない。
どこかのお姫様と一緒にしないでよね!」

「ぷっ! 確かに。
あのワンコ姫はやりかねない。
彩は大和撫子だもんな。
わっーーと感情に流されたりはしない。
いつだって冷静沈着だ。」

「私だって、そういう時あるもん。」

「ふぅ~ん。」

「あるもん、ホントに。」


インは前を向いて、にやっと笑った。




キャー! キャー! キャー!!

女の子たちの可愛い声がこだまする。
ジェットコースターは男のパラダイスだ。

しかし、隣に座る愛しい人をインは複雑な表情で見る。
彩がこんなに怖がるなんて・・・思ってもみなかったから。
誰にでも一つは弱点があるものだ。
それを実感した。

コーヒーカップや観覧車で楽しそうにはしゃいでいた彩が
ジェットコースターが空に向かってどんどん上がっていくにつれて
顔面蒼白になる。

「これだけはダメ! キライなのよ~!」
入り口でしぶる彩を「柄にもない。」なんて言って
無理矢理乗せてしまった事をインが後悔するほど、気分が悪そうだ。
女の子がキャーって言ってしがみついてくるのは可愛い。
自分が頼りにされているのが実感できるから。
しかし、今の状況はそれには程遠く。
彩はサムライのごとくじっと前を見て、歯を食いしばって耐えている。

インの計画では、ジェットコースターがくるりと向きを変える瞬間に
彩にチュッ♥とするはずだった。
が、この状態でそんな事をしたら 降りてからが恐ろしい。

   あーあ、チャンスはさっきの観覧車だったか・・・

ベタな感じがイヤで、敢えてハードな手段を選んだミスだった。

目を瞑って、ギャーギャー叫べばいいのに
彩は背筋を伸ばして、ただ前を見て耐えている。

   プッ、こんな時もサムライだなんて。
   そうさ、日本人の彩が好きなんだ。
   カッコイイよ、俺の彼女。


「愛してる。」

必死の形相で安全棒を掴む彼女には聞こえない。


インは、震える彩の手をしっかりと握りしめた。





コメント
管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2016/03/15 07:42] | # [ 編集 ]

Re: あんにょん♪
per~さん、おはようございます。

ぼちぼち更新で曜日もバラバラになってきました。
昨日にアップする予定でしたが、
どうにもしっくりこない部分があって書き直していたんです。

自ら挑んだとはいえ、題材が難し過ぎて茫然としています。
あ、正直過ぎかしら。
よくわからないんですよね・・・日本人だから。
彼氏が兵役に付いた事もなければ、
ファッションとしての迷彩服姿も見た経験がなく。
本当に全てが妄想の世界。

ネットで多少なりとも情報を得ているせいか
耳年増にはなってるし・・・
韓国の方が読まれたら、不快に感じるでしょうね。
おそらく読まれる事はないでしょうが。(笑)
肩の力を抜いて頑張ってみます。
だって、このあたりのお話を書いてみたかったんだもん。

今朝もありがとうございました。
風が強くて寒そうだけど、元気にいってらっしゃーい♪
私も行ってきまーす!
[2016/03/15 08:16] URL | Luna #- [ 編集 ]


おはようございます(^^♪

渡韓した時に、幾度となく軍服姿のナムジャを見かけました。
明洞では彼女と楽しそうに腕を組みながら。
高速道路のSAでは、仲間たちとトッポキ取りあって食べていました。

そんな屈託ない笑顔を見てると、国が分断されてるとか
ミサイル攻撃がどうとか、つい忘れてしまいがちです。

「いつかは両国、手を取りあって…」なんて、生易しいセリフでは
済まされない状況になりつつある昨今。
政治的背景やオトナの事情によって、若いカップルが悩みを抱えてるのは
なんとも複雑な心境です。
結論は急がないで…としか言えないなぁ。

話し変わって、私絶叫系乗り物だーい好きです!
TDLでも富士急ハイランドでも、吐くほど乗りまくります。
でもね、スピード系は好きなんだけど横揺れ系(フライングカーペットとか)は苦手なのぉ。
お尻がムズムズしてくるんですよね(;^ω^)

イン君、残るはお化け屋敷だよー(笑)

[2016/03/15 09:40] URL | ぶんちゃん #- [ 編集 ]

Re: タイトルなし
ぶんちゃんさん、こんにちは。
今日もありがとうございます。

私も見ました。
でも、やっぱり違和感はあったわ。
その時、自分が外国人だというのを痛感したので
こういう流れになったのでしょうね。

表向きには批判しあっても、少なくとも韓国の人達は
分裂に関して悲しい想いを持っている気がします。
でなければ、数々の戦争映画における描写は有り得ないもの。
同じ国が分かれてしまう悲しみは、本当のところ実感はできませんが
ぼんやりと思うところはあって、それを描けたらな~って思います。

あ、それから絶叫系ですが 三半規管が滅法弱い私はNG!
お付き合いで乗っていましたが、
歳も歳なのでもう一生乗らないでしょう。(笑)
[2016/03/15 13:26] URL | Luna #- [ 編集 ]


拍手鍵コメのRさん、こんばんは。
感が当たりましたね。
今日もありがとうございます♪

日韓の最近は何だかキナくさくて、気分が沈みがちになります。
すごくお友達になりたい人に「あなたとは合わないから」って
拒絶されている気分で。
私も合わないのはわかっているけど、とっても興味があるの。
決して一緒とは思っていないけど、何だか気になるの。
そんな国、韓国はやっぱり近くて遠い国。

だから書いているのかな・・・
辞めることができないのかな・・・

お話の方向が違ってきて、皆さんをがっかりさせてしまうかもしれませんが
「今の宮」を描きたい。
そんな気持ちが日に日に強くなってきました。
Lunaおばさんはどこへ行くんでしょ。(笑)
[2016/03/15 21:51] URL | Luna #- [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2016/03/17 07:40] | # [ 編集 ]

Re: アンニョン
Cさん、お休みのところコメントをありがとうございます。
バタバタしていますが、今のところ問題はございませんので
ゆっくりしてね~♪

そうですね・・・日本人の私が書くには無理がありますが
より現実的に書きたくなってしまいました。
韓国ドラマや映画の見過ぎか、長い間書いてきたせいなのか。
小説は所詮絵空事なれど、時には真実も映し出すもの。
上手くからめて書きたいです♪

今後ともご指導をよろしくお願いしまーす!
[2016/03/17 13:57] URL | Luna #- [ 編集 ]

いいわぁ~イン君♪
いいわぁ~イン君♪

こんばんわぁ

従兄弟が自衛隊海軍におりますの・・・今はどこに勤務かな?以前は呉に勤務しておりましたが(爆)

結婚式も軍服だったですよ・・・今回のイン君は凄く素敵なナムジャです

彼なら離れていても絶対に彩を想っている事間違いなし!

日本にも沖縄基地問題があるけれど、戦争という緊張感はないのかな?

飛行機で二時間弱!時差ナシ!そんな近い国とにらみ合うのはやっぱり切ない。
[2016/03/17 20:15] URL | masaayafigft #- [ 編集 ]

Re: いいわぁ~イン君♪
masaayafigftさん、こんばんは。
コメントをありがとうございます♪

愛愁のイン君、軍服姿になったら素敵でしょうね。
でも、彩と一緒で私達は足が前に進まないのではと思います。

同じ国が2つに分かれていがみ合うっていう感覚。
私には全く理解できない。
それに韓国の方々は兄弟国を完全に憎めていないんですよね。
これは少し理解できます。
同じ血液が流れている人達の事を心底は憎めないはず。

「宮」の力を借りて、少しですが そんなお話も入れていきたいです。
[2016/03/17 20:29] URL | Luna #- [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2016/03/21 00:01] | # [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2016/03/21 00:15] | # [ 編集 ]


コメントの投稿














管理者にだけ表示を許可する


トラックバック
トラックバック URL
http://senamoon1122.blog57.fc2.com/tb.php/803-79d31b5d
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)