宮2を夢見て~シンとチェギョンの物語~
韓国ドラマ「宮」に魅せられて未だ「宮2」をあきらめられず、あれこれ妄想しています。
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残月 1
  人は思い出だけを支えに生きていけるものなのだろうか?

  例えば、あの日マカオで別れてしまっていたなら・・・
  2人はどう生きてきたのだろう?

  ねえ、どう思う?

  考えるまでもないさ、別れなんてなかったのだから。

  もしもの話よ、もしもの。

  こんなに可愛いハナの前で、そんな話はしたくない。

  そうだけど・・・それは、そうなんけどね。。。



夕方、彩に電話をした。
本当は昨日から着信に気が付いていたのだけど
忙し過ぎて、つい一日延ばしにしてしまっていたのだ。

前にガンヒョンから、「忙しいを口実にしてはいけない。」と叱られた。
生きていればみんな、忙しいのだと。
だけど、無理はしなくてもいい。
無理の上には、友情は成り立たないから。
もっともだと思った。

だから、「電話をありがとう。遅くなってごめんね!」と言ってかけた。
電話の向こうから「いいのよ~。」と言う声が聞こえた時は
そんなに大変な話があるとは思いもよらなかったから。

「来年は韓国に残れそうもないの。」

「そうなの? えっ? ええっーーー?」

韓国の大学院に通っている彩は、2年後もそのまま
研究員として残してもらえる道を探っていた。
日本と韓国の文化交流のために、なくてはならない人材だと
シンとチェギョンはいつも話している。
当然、研究員として残れるものと思っていたのだ。
チェギョンは自分が出来る事、彩でなければならない事を
それぞれの立場で達成していけるのを楽しみにしていた。

「このところの日韓関係の冷え込みで、こちらにも影響が出てしまったわ。
1年前とは温度差が全然違うの。
確かに私がしていることは、経済に直結するわけではないのだけど・・・
日本人はとっとと国に帰れみたいな事を遠まわしに言われた。」

いや、きっと直接言われたに違いない。
チェギョンは彩をもってしても越えられない壁に意気消沈した。
日本と韓国の間にある政治摩擦とは、次元が違う事をしているという自負があった。
それぞれが失いつつある伝統文化を交流させ
互いに高め、認め合っていけたなら、きっと一つの力になれる。
違う場所からの架け橋になれるのではと。
ドロドロした感情ではなく、学問を通して純粋に見つめ合えたなら
また違った局面も出てくるのではないかと思っているのだ。

「教授の考えなの?」

「いえ、たぶんそうじゃないと思う。
教授は私の研究をとても評価してくれているの。
一つ一つの文化が日中韓とどのように交錯してきたか
非常に興味深いとまで言ってる方だから。」

「そうよね、彼はそういう人だわ。
どこが発祥の地だとかよりも、互いの文化交流に意味を見出す方だもの。」

「おそらく、研究者ではないところから圧力がかかっているのだと思う。
一緒に研究をしてきた人達は私が日本人だって事も忘れてるくらいだから。」

「政治的な圧力って事?」

「日本人を研究室に残して、のちに準教授や教授という事にしたくないのよ。」

「そんな・・・
脳力のある者が疎外されるなんておかしいわ。
でも、彩は研究を続けたいのでしょう?」

「ええ、もちろん。
いいのよ、どこに行ってもできる事だから。
でもね、日本人が韓国で続ける事に意味があった。
それが残念でならないの。」

彩は本当に悔しそうだった。

日本に戻れば、彩ほどの人材ならどこの大学も欲しがるだろう。
専門雑誌に連載までしている彼女の研究は高く評価されている。
でも、そうじゃないのだ。
日韓の状態がよくない今こそ、こういう人が必要なのだ。

チェギョンはがっかりすると共に、急に心配になった。

「インは知ってるの?」

「ううん、軍隊にいる人にどうやって知らせるのよ。」

「そうなの? 全然知らせることができないの?」

「携帯電話禁止だから。
今度の休暇に会って報告するわ。」

「そうしなさいよ。
前みたいに遅れをとるとロクな事がないわよ。
誤解したら困るでしょ。」

「うん。
本当にその通り!」

電話の向こうで彩が少し笑った。



「インとの事はどうするの?」って、チェギョンは聞かなかった。

インと自分のしたい事とを天秤にかけるなんて
彩には絶対にできないと知っているから。
小さい子みたいに、どっちも欲しいの~!!ってダダをこねれるのなら
どんなに楽かもしれない。

そして、チェギョンは知っている。
恋しいという感情だけのために、彩は学問を捨てられないだろうという事も。
彼女の冷静な判断で幾度も救われてきたけど
今はその性格が恋路を阻むだろう。
感情優先、情熱先行でここまで来たチェギョンは
対極に居る彩の事が手に取る様にわかる。

だから、何も言えなかった。



その日の夜。

ハナを寝かしつけてから、チェギョンは執務室に行った。
産休とはいえ、チェギョンにはするべき事がある。
家族寮に隣接する保育室の内装のコーディネイトや
使用する様々なもののデザインを任されているのだ。

シンの使う大きな机のそばにちょこんとある小さな机。
それがチェギョンの仕事場だ。
早速パソコンを開いて、作業を始める。
アイディアはいっぱいあって絞り込むのが難しい。
あれもこれもでは、支離滅裂になってしまうから
エイッ!とばかりにばっさり切るのも時には大切だ。


カチャ。

ドアノブがゆっくりと開く。

「ハナは寝たのか?」

少し疲れた感じの声がした。

「おかえり、シンくん。
うん、よく寝る子で助かるわ。」

「DNAって大したものだな。」

「しみじみ言わないでよ。
今日は大変だった?」

「ああ。
宗家達はいつになったら成長するんだろう?
子供みたいな事ばかり言っては喧嘩している。」

「でも、なんだか平和でいいわね。
つまらない事で喧嘩をするくらい仲がいいってことじゃない?」

「そうか?
ふうん、一理あるかもな。
僕たちみたいに?」

チェギョンの横に立っていたシンが急に腰をかがめてキスをした。

「あの・・・」

「ん? なに?」

「いえ、なんでもない。」


「ああ、またこんなに高く積み上げて・・・
やる気がなくなるよ、全く。」

シンはボヤキながらも、椅子に腰かけた。


2人は黙って仕事を続ける。

以前ならチェギョンがお茶を入れて差し出すと、シンも休憩して
たわいのない話をしばらくしていたものだ。
が、今は違う。
ハナが寝ているうちに、少しでも仕事を片付けたい。
それが正直な気持ちだ。
子供が産まれると、どうしても家の中心が子供になってしまう。
それは世の常なのだ、仕方がない。

でも、でも。
今日は何だか、そうじゃない気分。
彩の事はまだシンにも話せないから、チェギョンはこの複雑な思いを持て余す。


  シンくん、私ね あなたが好きだからここに居る。


真横に居るから、その姿はちゃんと見られない。
でも、パソコンをたたく長く細い指が 時々顎へと移動する。
きっと難しい顔をして考え込んでいるに違いなく。
そして、彼はそんな時だって世界一かっこいいのだ。


  マイッたわ。
  子供まで産んだというのに・・・
  めちゃ少女じゃん。


「チラチラ盗み見せずに、ちゃんと顔を見てくれよ。」

「はいっ?
見てませんけどっ!
真面目に仕事してますけど、何か?」

チェギョンは体ごとシンの方を向き、むぅと頬を膨らませた。






コメント

おはようございます

桃の節句・・・木曜日・・・きいたぁ~♪

今回は正に今の日韓の政情を書かれている気がします
私が出会った韓国の方はそういう方はいなかったけれど・・・政治が絡んでくると難しいのかしらね

「好き」だけでは登れない山もあるんですかね(泣)

彩とイン君の間に立つ「日韓」の山・・・登って欲しいなぁと思う私です。

今日は朝夕と日中の寒暖差が高いと修作さんが仰っていました。
防寒対策が難しいですよねぇ・・・ではではLunaさんお仕事いってらっしゃいませ<(_ _)>
[2016/03/03 07:45] URL | masaayafigft #- [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2016/03/03 08:11] | # [ 編集 ]

管理人のみ閲覧できます
このコメントは管理人のみ閲覧できます
[2016/03/03 08:31] | # [ 編集 ]

Re: タイトルなし
masaayafigftさん、こんにちは。

最近の日韓関係を見るにつれ、お互いに
重箱の隅をつつくような事で大騒ぎをしている気がします。
過去はちゃんと見つめ直すべきですが
これからの事を考えてないと絶対に前へは進めません。

政治と無関係の場所の方が影響が大きくて
閉鎖的な場所は特に弾圧が厳しいと思います。
で、彩の登場となったわけです。

色んな形の残月を、のんびり書いていきますね~。
今日もありがとうございました♪
修作さんのすっきりした顔を見てたら、
彼は花粉症ではない!と確信しました。(笑)
[2016/03/03 13:21] URL | Luna #- [ 編集 ]

Re: あんにょん♪
per~さん、こんにちは。

わお! 罹ってしまいましたか~?
でも、人生初なのね・・・
私は戦々恐々としてマスク常備でいるせいか
何とか上手くくぐりぬけております。
人生10の指くらい罹っている私は、免疫充分な気がしますが。

単純に韓国が好きなので、今の状況を憂いている一人です。
同じ人間同士、仲良くできたらいいな。
チェギョンみたいに単細胞な考え方なので、残念で仕方ないです。

政治の事を持ち出すつもりはないのですが
やはりここはちゃんと描いてみたい。
彩の姿を借りて、色々と考えたいです。

今日もありがとうございました。
お大事になさってくださいね♪
[2016/03/03 13:29] URL | Luna #- [ 編集 ]

Re: おはようございます。
ya~さん、こんにちは。

新大久保に行かないうちに、ずいぶん様変わりをしてしまったようで。
今は無国籍っぽいですね。
それはそれで行ってみたい気がします。

いきなりな展開で始めてしまいました。
キツイ内容を、我らが皇子様に緩めてもらうという姑息な手段を用いました。(笑)
物語なのでリアルな感じにはしたくないですが
やはり避けて通れない道もありますよね~。

コメントをありがとうございました♪
ぼちぼち頑張りまーす!
[2016/03/03 13:34] URL | Luna #- [ 編集 ]


拍手鍵コメのRさん、おはようございます。

今までは数話書きためて、それを前後に移動したり削ったり。
そんな書き方をしていましたが、ここに至っては一話書いてはアップ。
私が慣れないせいで、不安になりながらの更新です。
もう後戻りできないっていうのは、書きにくいの。
先を書く事によって、前のに少し手を加えたりできたのです。
人それぞれのクセがあるので、こうなるのでしょう。

そんなこんなで始めましたが、まだ次のが書けていないという状態で。
のろのろ運転の上、あまり安全運転とは言えず。(笑)
出発した以上は頑張ります!

コメントをありがとうございました。
当分、このペースかもしれません。
ミアネヨ~♪
[2016/03/04 08:23] URL | Luna #- [ 編集 ]


こんにちは Lunaさん
更新ありがとうございます^ ^

現実ですね...
私も ただ単純に韓国が好きで、韓国料理も大好きで(^^;;
たくさん触れてきました。

仕方ないのかな〜 残念です...

そんな中、穏やかなシンとチェギョンが
ほっこりさせてくれてます。
[2016/03/04 13:09] URL | derufi #- [ 編集 ]

Re: タイトルなし
derufiさん、こんにちは。

夢物語なのだから、ここまで書かなくてもいいかなって
思ったりもしました。
でも、夢のお話だった宮が 
現在の景福宮とオーバーラップしているのは事実です。
今の日韓や北朝鮮とのからみも描いていけたらなって。
シンチェが政治を語れない分、それとどう対峙していくのか
興味が湧きませんか?
宮はこんな風に深くて尽きない、不思議な空間ですね。

コメントをありがとうございました。
次はいつになるかわからないけど、また遊びに来て下さいね♪
[2016/03/04 13:38] URL | Luna #- [ 編集 ]


あれから・・このドラマの続きはどうなったのか?それはいくつもの物語が描かれた

その中のひとつがずっと・・綴られる

残月

マカオから始まったのか

いや・・物語の始めの糸は
ふたりが出会った頃から始まった

糸がもつれていく
宮という物語はきっと・・こうなっていたのだろうか?

嘘偽りなく真摯に向き合ってこそ人生

そう思わせていただける

作家さんの真摯なこれまで生きてきた奥

そこがこのお話に投影されていて
私には心地よい

視える先はいったいどこへと繋がっていくのだろう

怖いが覗いてみたい

そう思った矢先

私はここへ言葉をいう名の何かを
置いていかせていただこう

墨衣の君
[2016/03/06 10:39] URL | 墨衣 #- [ 編集 ]

Re: タイトルなし
墨衣さん、こんばんは。

あれからの宮を、こんなに長く綴る事になるとは・・・
2010年の5月には思ってもいなかったです。

たくさんの「あれから」を読んで
私の「あれから」を書きたくなって。
そして今、まだ「あれから」を探している。

お話には書く人それぞれの人生が少なからず投影されると言う・・・
そうなのかな?と読み返してみるけれど、自分ではあまりわかりません。(笑)
オリジナルの小説を書くことになったら、そこが怖い気がします。
今は『宮』という大きな傘が隠してくれているので。


今日は父親の37回忌でした。
母が1週間前からそわそわし始めて、無事終えたらホッとした顔をしたの。
うちの母も墨さんみたいな人で、色々と武勇伝があるんですよ。
お経が長くて、私はお腹がグウグウ鳴るし、足は痺れるしで
全然集中できなかった。(笑)

お経の前に子供達に数珠を渡しながら突然、「数珠を作ろう!」と思い立ち。
今日はその勉強をしておりました。
こういう突拍子もない好奇心が、お話を綴るのには必要ですよね。(なんちゃって)
しかーし、組み紐の編み方とか非常に難しそう・・・
友達のダンナさんがお坊さんなので、教えていただこうと思っております。
一体、いつ出来上がる事やら。

表と裏のコメントをうれしく読ませていただきました。
3月は旅立ちの時ですね。
私も何度も味わいました。
そして、何度も泣かせて、何度も泣いてきた。
この季節はいつも、ちょっと哀しい匂いがします。

[2016/03/06 23:53] URL | Luna #- [ 編集 ]


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